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進展の早いゲーム業界。バンダイナムコゲームスに聞く 株式会社バンダイナムコゲームス金久保哲也氏

株式会社バンダイナムコゲームス
コンテンツ制作本部 制作統括ディビジョン 技術部
金久保哲也氏

 

バンダイナムコゲームスのモーション課で、アニメーターらの技術的なスキルアップの支援や、新規技術に関する情報提供などの幅広い役割を担っている金久保さん。進化の早いゲーム業界において、社員のスキルアップは重要な課題となっている。そんな中、昨年9月のCEDEC(ゲーム開発者カンファレンス)にて協会スタッフと出会い、「ディジタル映像表現」を知ったという。



現在の取り組みについて教えてください。

ゲーム業界の技術の進展は早く、ユーザーからの要求度はますます高くなり、アニメーターが担うべき技術の範囲は広がっています。
各アニメーターのスキルにはばらつきがあり、手描きが得意なアニメーターもいれば、カメラの動きをつけたことのないアニメーターもいます。技術的な側面では、あるプロジェクトで抱えている課題が、実は他のプロジェクトではすでに解決していたり…、といった事態が起こっています。こういった問題は、互いが持っている情報を共有しあい、全体のスキルアップを図ることで解決できる場合が多くあります。ですので、「情報共有」と「スキルアップ」というのは、社内の大きな課題となっています。私共の部署では、定期的に社内でワークショップなどの勉強会を設け、情報共有とスキルアップに取り組んでいます。

 

この本の魅力を教えてください

 

ディジタル映像表現まず、3次元CGの部分はもちろん、それ以外のアニメーションの基礎になっている部分、たとえば実写のカメラワークや撮影技法、演出などの部分がしっかりと体系的にまとめられていると思います。こういう風に、実写の基礎からCG制作までが網羅されている本は、他に見たことがない、というのが第一印象でした。
また、大きなプロジェクトに参加すると、自分の担当する工程しか見えなくなってしまう人もいます。自分が担当する工程が、ワークフロー全体の中でどういう位置付けにあるのかを知ることで、他のプログラマーやデザイナーとのコミュニケーションがスムーズになり、さらに制作の進行が円滑になると思います。この本には、ワークフローや、各工程の仕事内容などが詳しく記されているので、大いに参考になると思います。実際に、私はこの本をアニメーター達に勧めています。

 

御社ではどんな場面でどんな方に活用いただけそうでしょうか?

 

金久保氏特にアニメーターはこの本を読むことで、自分が使っている技術はこういう理論の上に成り立っているんだな、と再確認することができます。また、自分の得意な部分を認識し、足りない部分を補うことができます。
入社後3年程度が経過すると、誰もが新人にアニメーション教育をする立場になる可能性があります。自分の知識や経験を他の人に伝え、共有する場合には、それらを1歩下がった視点から言語化する必要が出てきますので、その際の手助けや参考にもなりますね。


そして、キャリアアップしたい人たちにとっても重要だと思います。デザイナーから、チーフ、スーパーバイザー、ディレクター等にキャリアアップするほど、他部署とのコミュニケーションを必要とされます。他部署との意思疎通のためには、今できる表現手法を網羅的に知り、全体のワークフローを理解する必要があります。自分の専門以外の分野の知識を得る手助けとして、この本は有効だと思っています。



これからこの分野を目指す方にメッセージをお願いします

 

ハードウェアの高性能化がますます進んでいく今、この分野を目指すなら日々のスキルアップは欠かせません。まず、「ディジタル映像表現」で解説されているような基礎の部分はしっかりと身に付けて、その上に自分の個性、自分の得意なものを持ってほしいと思っています。

ゲーム制作は、技術との追いかけっこです。常にユーザーを驚かせることを考え、情報収集しながら、日々勉強することが求められます。終わりのない勉強が続くというのがこの世界です。いろんなものにチャレンジするつもりで、この業界に挑んでほしいですね。私たちの原動力になるようなパワーを持ってきてもらいたい!そう願っています。