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2023年春の叙勲において、西田友是理事が「瑞宝中綬章」を受章されました。

2023年春の叙勲(2023年4月29日発令)において、西田友是理事が「瑞宝中綬章」を受章され、5月12日(金)に国立劇場において伝達式が行われ、その後天皇陛下拝謁において、文部省関連の旭日・瑞宝章全受章者を代表し、天皇陛下にお礼の言葉を述べられました。(写真提供:プロメテック・ソフトウェア株式会社)

瑞宝章は、公務等に長年にわたり従事し、国家または公共に対し功績がある方に授与されるものです。

西田理事は、CGの草創期からその研究に取り組み、コンピュータグラフィクス(CG)研究における世界的なパイオニアの一人です。CG-ARTSにおいては、その前身となる研究会(CG/CADリサーチグループ)より、カリキュラムの編纂やテキストブックの編集・執筆、検定試験の制作に長年にわたりご尽力くださりました。

CGの基礎的研究としては,3次元物体の隠線消去、隠面消去、陰影表示においては、種々の光源に対するシェーディングモデルの開発をされました。特にリアルな画像を表示する手法の代表的技法であるRadiosity法、半影の処理の第一人者です。 近年は、雲、空、雪、水などの自然物の表示法の研究を行なっています。ハードウエアを利用した、水、砂状物質、髪の変形を高速描画する方法、画像のみでなく音の生成についても研究されています。

CGの応用としては,照明シミュレーション,自然物の表示、景観評価,曲面を含むCADシステム,毛筆フォント(墨絵)などのNPR,モーフィング、Web Graphicsなどの研究を行っています。また、CG-ARTSとの共同研究によりCGアルゴリズムの理解を体験的に行うことを目的としたJavaScript教材を開発し提供しています。なお、CGで最も権威ある学会 SIGGRAPHに論文を多く発表されています。

こうした長年のご功績により、1987年には、情報処理学会から研究賞(現山下記念研究賞)を受賞。2005年、世界的に権威ある国際会議ACMSIGGRAPHから最も名誉ある賞 Steaven A. Coons Awardをアジアで初めて受賞されました。この賞は、CG界のノーベル賞と呼ばれています。2006年には、NICOGRAPHからCG-Japan Awardを受賞され、画像電子学会においては、CG関連の優秀論文の著者に与えられる賞「西田賞」が創設されました。また、2017年11月には紫綬褒章を受章されています。