底なしウィンナー

限りなく輝きを放つ瞬間を描くアニメーション作品だと思う。この作品が捉えることに成功したのは、自分の身体が肉塊として認識され、一見何の関係もないように思える遠くの牛たちのことがぼんやりと頭に浮かび、その両方がとても自然に融合し溶け合い、つまり、世界のすべてがジオラマ化されて、永遠を内包して佇む、あの瞬間である。それは、あらゆるフレームワークから離れて世界を限りなく直に捉えることができる、思春期までに許されたあの瞬間である。偶然的に吹かれた口笛のメロディがささやかで繊細なオーケストレーションを伴って広がっていく音の構築も実に見事だと思った。(土居伸彰)

川口恵里
東京藝術大学大学院
アニメーション