受験者の声


中川 篤毅 さん
順位:2024年78位
総合点:71.0点/いいね数:7
受験当時の所属: デジタルハリウッド東京本校 本科CG/VFX専攻 1年
就職先:CafeGroup株式会社 CELAVIE
※学校名および学年については、2024年受験当時の情報です。
悔しさをバネに提出後も1ヶ月以上かけて作品をブラッシュアップ!そのこだわりでつかんだアニメ制作への道。
■アニメーションを勉強されたきっかけを教えていただけますか?
約6年前、大学生の頃にモデリングをはじめました。社会人になってからも趣味でモデリングは続けていたのですが、続けているうちにもっといい作品が作れるようになりたいと思うようになり、CG業界に興味を持つようになりました。CG業界には、モデラー、リガー、アニメーターなど様々な職種がありますが、自分が一番やりたいことは何なのか確かめるため、各分野を少しだけ独学で触れてみました。その中でもアニメーションを作っている時が一番楽しく、もっとうまくなりたいと思い、アニメーターを目指すことにしました。実はモデリングもアニメーションを作りたくて始めたという経緯がありました。アニメが大好きで、ずっとアニメばかり見ていたので、自分が一番作りたいのがアニメーションだったんです。
■前職ではどんなお仕事をされていたんですか?
医療関係の仕事をしていました。大学も医療系の学部でした。全く別の業界への転職だったので、一から学びなおす決意をしたものの、どうやったら業界に入れるのか分からず、ネットで調べたり、SNSで専門学校について聞いたりしました。学費などのことを考え、1年で修了できるデジハリを選びました。
■アニメーション実技試験の課題を見て、どう思いましたか?
パッと見て「これは難しいぞ」と思いました。特に五カット目の膝をついて倒れるところが、リグの性質上難しそうだったので「うわー」という感じでした。腕を組むポーズも結構難しかったですね。貫通しないように綺麗に作るのが難しいと、取りかかり始めてすぐ思いました。
■どういう手順で作品を制作されましたか?リファレンスの活用なども含めて教えてください。
リファレンスについては、公式からのアナウンスもありましたし、いろんなアニメーターさんのチュートリアルでも「絶対リファレンスを探したり撮ったりしてね」と言われているので、ポーズやリズムにこだわって何十回も撮り直しました。リファレンスの段階でアニメーションの完成像がある程度見えるようにしたかったので、カメラのアングルはなるべくコンテに合わせて撮影し、編集で速度感やタイミングを軽く調整しました。
■その後はどのように制作されましたか?
そうですね。最初はリファレンス動画をなぞって作るような形で進めました。頭からブロッキングを一通りやって、次の工程を一通りやっていくという形で進めました。
■こだわったポイントや難しかったポイントはありますか?
難しかったのは、制作期間が1か月ときまっていたことです。アニメーションに慣れた人だと違ってくるかもしれませんが、自分がアニメーションを始めてまだそんなに経っていなかったので、16秒のアニメーションを1ヶ月で作るのは難しいと感じました。また、尺がきっちり決まっているというのも難しかったです。自主制作だと自由に伸ばしたり縮めたりできますが、決まった動きを3秒とか4秒の間に入れないといけないというのは苦労しました。動きが忙しく見えないように、タイミングの調整が必要でした。
■他に難しかった点はありますか?
この試験の特徴として、提供されるモデルに表情がないですよね。でも感情演技のあるコンテなので、体だけでいかに感情を表現していくかというのが大事なところだったと思います。
■試験の結果を見てどう感じましたか?
めちゃくちゃ悔しかったです。1位を目指すぞ!という気持ちでやっていたので。正直、1位の人の作品を見たときは、1カ月でここまでできるのかと思いました。 フィードバックシートで「アニメーションが直線的で硬くなっていた」という指摘をいただいたのですが、今見ると本当にその通りだなと感じます。提出時点では、ブロッキングから少し進んだ程度で、あまり完成といえる状態ではありませんでした。なので、実は課題を提出した後も先生に見てもらってブラッシュアップを続けました。
■提出後も課題をブラッシュアップしていたんですね!
はい。提出後も先生と3回くらいやりとりして、プラスで1ヶ月半ぐらい修正を続けていました。その中で、体の柔らかさを表現する方法や、感情表現と体がどう結びついていくかなどを学べたのが大きな収穫でした。今まで学校の課題では基本的な動作しかやってこなかったので、感情表現のある動きを制作できたのはありがたい経験でした。これから仕事に絶対生きてくると思っています。
■そのブラッシュアップされた作品をポートフォリオに入れて就活に臨まれたという形ですか?
そうですね。デジハリの就活イベントでデモリールを流して、カフェグループ代表の岸本さんに見ていただきました。「基礎力がしっかりありますね」というコメントをいただいて、そのまま面談の約束をしていただき、内定をいただけました。運も良かったですし、ありがたいです。
■今後どのような社会人になっていきたいですか?
CELAVIEでは、セルルックCGを中心に制作しており、コンポジットなどにも今後触れていくことになると聞いています。セルルックCGの動きとルックに拘って、アニメのCGをより良いものにしていきたいです。
■最後に、これから試験を受ける方へのメッセージやアドバイスをお願いします。
アニメーション実技試験は期間が1ヶ月と限られているので、集中してやらないといい結果は得られないと思います。公式の統計データを見ても、時間をかけている人の方が結果が良いようです。企業から声をかけていただく可能性もありますし、アニメーターになりたいのであれば、制作期間の1ヶ月は本気でやるのがいいと思います。まだアニメーターになるか迷っている人でも、自分が何ができて何ができていないのかを知るいいきっかけになると思います。アニメーションを始めたての人でもチャレンジしてみる価値はあるかもしれません。