CG-ARTS アニメーション実技試験2021
第3回目となる「CG-ARTSアニメーション実技試験2021」では、
専門学校31校から181名、大学・大学院11校から27名、高等学校2校から3名、
計211名の課題提出がありました。
試験にご参加いただき、ありがとうございました。
CGアニメーションを学習されている方や指導者向けに、試験で使用したCGデータ各種を公開しております。
ダウンロードを希望される方は、フォームから申請してください。
含まれるデータ:
1. 絵コンテ(PDF)
2. 3DCGデータ:キャラクタモデル、背景モデル(MAYA, 3DSMAX, Blender)
3. タイムコード用データ(AfterEffect)
4. 作打ちビデオ
アニメーション | ・10秒程度 |
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モデルデータ | ・モデルデータは、原則、提供された3DCGデータを使用してください。 |
動画サイズ | 1280×720(16:9) |
FPS | 24fps |
フォーマット | MPEG4(H.264形式) |
ファイル名 | 「受験番号_氏名.mp4」(例:A0000-001_画像太郎.mp4) |
ファイルサイズ | 20MB以下 |
採点企業5社からの、今回の試験への総評をご紹介します。
皆さんの作品を拝見させていただきました。
自然な動きを目指すうえで、全体を通して観察力が足りていない印象を受けました。
今回の課題の動きは実際に自分で動ける演技内容です。
自分で動くことで、重心の確認や動きを観察し、体のどこが動いているかを確認、考える必要があるのではないかと思いました。
参考資料として自分(友人)が演技したものを撮影した人がどれだけいるでしょうか。
まず、自分で動くこと。自分の身体がどう動いているか確認ができます。
観察の為に、自分で動きを撮影して何度も見るのも一つの手段です。
観察はプロダクションに入ってからも必要なスキルの一つです。
身近にあるもの、日常でよくある動き、ポーズなどは特に違和感に気付きやすいです。
重心を意識したポーズ、機械的に見えない動きはどういうものかを日頃から常に考え、しっかり観察しアニメーションに活かしていきましょう。
◆検定試験の採点基準
「プロフェッショナルとして」納品されたMOVIEの仕様に間違えがないか、演出意図を正しく把握しているか、アニメーションに不自然さはないか。などを確認したのちに、より魅力的であるかを評価しています。
◆アニメーションの成長方法について
今回の課題に限らずですが、事前に参考資料をたくさん集める。
どれだけカッコイイ資料を集められるかで差が付きます。
アニメで感極まって走り出すシーン。スキップの動画。ラストに大ジャンプして終わるアニメ。などを組み合わせることで、かなり精度の高いゴールが見えてくるはずです。
あとは、自分のいま制作しているものと、参考にしている素晴らしいアニメーションとの差を見比べて、修正していく。その繰り返しです。
日本のアニメ分野では世界を魅了する偉人たちがたくさんいます。
その技をコマ単位で見比べることで、アニメーションの魅力の秘密に必ず近づいていけるはずです。
課題の肝である「スキップ」の動きが出来ていない人が多くみられました。 普段馴染みのない動きなので、調べたり自分でもやってみて、自然なスキップの動きが作れるかがこの課題の大きなポイントの一つだと思います。
又、メールを見てからの驚きや、そこから喜びに変わっていく感情の変化、それに伴う細かな仕草や体の動きなども、 ただ絵コンテの内容に沿って動きを作るだけでは視聴者に伝えることは出来ません。 感情移入が出来る自然な動きに出来るかどうかは、 いかにキャラクターの心情を理解して、感情に伴ったお芝居をイメージ出来るかが重要になってきます。
今回の課題は感情と動きの変化が大きかったので、 実際に自分がキャラクターと同じ状況をイメージしてお芝居をした物を撮影して、 それをベースにブラッシュアップしていくと、より完成度が高くなる方が多かったと思います。
イメージだけで完結させず、実際に自分がその状況になったのを想像しながらお芝居して、 より自然で感情移入が出来るアニメーションを作れるよう頑張ってください。
全体としては、去年と同じ印象を受けました。
自然な動きに対する研究と観察が甘く、想像だけでアニメーションしてる人が多い印象でした。アニメーションはキャラに命を吹き込む。と良く言われますが、
まずは自然な人体動作のアニメーションをつける技術がありその上にキャラクターの性格や演出意図、芝居を盛り込んでアニメーションとして完成します。
まだまだアニメーションを付ける基本技術が足りてない人が、ほとんどだった印象です。今回の課題は日常演技で、参考となるリファレンスや資料はいくらでも用意できると思います。
自分で演技したり人の動きを観察したり、想像だけで動かすのではなくまずはしっかり観察し、自分の付けたアニメーションの違和感に気づき修正していく。
自分の中での確認(セルフチェック)を徹底して頑張ってみてください。
今回の課題は感情表現豊かで、アニメーターの演技力も試されるものでした。 その中でも約1割の人達は平均点以上の仕上がりで、よく頑張っていたと思います。 しかし、残りの9割の作品は多分想像だけで作っているのと、 圧倒的にトライ&エラーの回数が少ないのでは?という印象を強く受けました。
想像だけでアニメーションさせるのはとても難しいので、 まずは自身で動いてリファレンスを用意し、よく観察することが大事です。 ただ見ているだけでは駄目で、リファレンスから良いところを読み取る力も必要です。 そして何度もトライ&エラーを重ね完成度を上げていきましょう。 厳しいコメントになりましたが、皆さんも途中であきらめず頑張ってください。