わに

人のこころを癒すことをテーマに描かれていながら、モチーフを安易にかわいらしいものではなく、リアルな造型のわにのおもちゃにしたところで、まずステレオタイプから逃れることができていると感じました。水彩で丁寧に描かれたやわらかな世界観と、なめらかに水中を泳ぐわにを描いた技術力、カメラワークなどの演出の妙、一瞬ミスマッチに思えながらも次第に心地よさを増してくる楽曲。どれもが良いバランスで配置されていることで、1分19秒という手頃に見ることのできる短い作品ながら、オリジナリティを持っていて、見ごたえがありました。何よりこれを見たあとに、癒やされたなー、という実感があったことが評価のポイントになりました。
(武田俊)

小池 紗璃菜
多摩美術大学
アニメーション