Clap Light - Drawing Project

拍手をすると、その瞬間に光るというインタラクションのわかりやすさと楽しさ、自分が発電した電気で光らせる、手の中で自分で電気を生み出すという「気づき」を与えるなど、デバイスそのものが面白いです。 加えて、作り方を公開し誰でも作れるようにすること、実際に多くの人に体験してもらうべく、子供たちを対象にワークショップなどの活動を行って いることも素晴らしいです。今は作ることとそれを広めることの境界線が重なって、「創作活動」となっているように思います。体験した子供たちが、Clap Lightの影響を受けて新しい作品を作り出すのも楽しみです。
(高須正和)

かつて電気は空気のように、使おうと思えば気兼ねなく使えるものだった。しかし、ある時を境にその様相は一変し、今日では、どのようにして電気が作られて、どのようにして電気を使うか、こうしたことを一人ひとりのユーザーが意識する必要が出てきている。この装置は、ピエゾ素子を利用したそのシンプルな機構により、誰でも簡単にできる「拍手」という身体行為と組み合わされることで、「発電所」へと変貌を遂げる。電気を政治や制度によって担保されたパッケージから引き剥がす、この手のひらサイズの発電所は、電気がただの物理的な現象であり、そこかしこに、さらには自らの身体にすらその素因があるということを体感させてくれるだろう。今日における実用性とは、周りを明るく照らすような利便性だけではない。「電気とは何か」というようなことを考えるきっかけそのものも含まれるはずだ。
(渡邉朋也)

金箱 淳一(作者/代表者)、Jaime Humphreys(共同制作者)
筑波大学大学院
インタラクティブアート