※映像はイメージです。

写真や映像など“イメージ”というものにはだいたい写し取られた具体的な対象が存在する。実際にあるものの印象を“イメージ”として表しているのだから、イメージと実物の関係は切り離しにくい。本作はゲッティイメージズから提供された素材をマッシュアップした映像作品だ。シナリオを作者がすべて用意するのではなく、既に存在している“イメージズ(素材動画)”のなかでストーリーが成り立つように、場当たり的につないでいくという逆転した方法で組み立てられている。ゴールが用意されないまま選ばれたイメージは、危うくマッシュアップされた結果なんとか物語として成立している。こうしてつくられた作品からは作者と作品の新しい関係が見られたように感じる。
(萩原俊矢)

薄羽 涼彌
武蔵野美術大学
映像