受験者の声

 

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濱 嶺太

濱 嶺太 さん
順位:2022年16位
受験当時の所属: HAL名古屋中間部CG・デザイン・アニメ4年制課程CG映像学科 3年
就職先:大手アニメ制作会社
総合点:76.3点/いいね数:19

細部に目を向ける前に、まずは大まかな設計から始めることが大事

■制作方法を教えてください
アニメーション実技試験に挑戦するまで、アニメーションをつけたことがほとんどなかったのですが、ちょうど就活が始まる時期だったのもあり、「アニメーションの基本を学習してみよう」という気持ちで挑戦してみました。
絵コンテを見て、自分なりの解釈でキャラクターの人物像を固めていきました。絵コンテからは読み取れないキャラクターのバックボーンまで想像しました。
作る上でどういうアプローチをすればいいのかわからなかったので、とにかくまずは自分で演技をするところから始めて、自分で演技した動画をもとに、キーポーズを長めの間隔で作って、ステップ補完でパラパラ漫画をつくるような形で作成していきました。
走りながら壁にぶつかるシーンは、歩幅や腰の位置をあらかじめ決めないと、アニメーションの流れが詰まってしまうと思ったので、3フレーム間隔の細かいブロッキングで作っていきました。そうすると、スプラインに変えた時に崩れにくくなり、修正しやすいです。

■制作方法を計画する際に参考にしたものは?
ちょうどクラスの隣の席が今回12位の橋下和さんでした。橋下さんは、アニメーションが大好きで自分より詳しかったので、どういう風に作成しているのかを横目で見て、制作過程をいろいろ聞きながら進めていきました。
そのほか、アニメーションの切り抜き映像などを120本ほど流しながら作業をして、自分の中で作り方を徐々に固めていきました。

■リファレンスはどういう風に撮影しましたか?
家の前で三脚を立ててカメラで撮影しました。電車の壁から壁の距離を計算して、扉にぶつかる一番複雑なシーンは何回も撮り直しました。歩数や歩幅は、最初のブロッキングのうちから緻密に計算しておかないと、重心の位置がおかしくなりますし、わざとらしくなってしまいます。
人間がぶつかりそうになった時、無意識のうちにかける急ブレーキもリファレンスを参考にしました。

■フィードバックシートの内容はいかがでしたか?
扉にぶつかったあと一瞬後ろに飛ぶアレンジは、「これでいいのかな?」と最後まで悩んでいた部分でした。企業からは「壁にぶつかる部分がわざとらしく見る」とコメントをいただいたので、プロには見抜かれてしまうんだなと思いました。
また前半では、ルカちゃんが外をチラ見するシーンを本当は入れたかったのですが、うまく入れ込めなくて消したところ、「前半にも何か動きが欲しかった」という納得のアドバイスをいただきました。
フィードバックシートは項目が細かくて、自分に不足している部分がすごくわかりやすかったです。絵コンテの忠実度などの細かい部分もしっかり評価されているんだなとわかりました。今回、カメラワークやレイアウト部分を自分の好きなように作りすぎて「コンテに忠実」という点が疎かになってしまったので、そこが減点されてしまい、すごく反省しています。

■後輩の受験者にメッセージはありますか?
アニメーションにしてもモデリングにしても、作業に取り掛かる前の大まかなラフを大切にしてほしいなと思います。なんとなくの状態で進めてしまうとクオリティは上がらないし、時間はかかるし、Vコンテのタイミングも悪くなってしまいます。まずはキャラクターのシルエットやタイミングなどを整えてないと、いくら細かい部分を頑張っても意味がない!ということを頭に入れてほしいです。

■デモリールを見せていただきました!アニメーション実技試験の課題も入れていただいています。