2010年7月、画像処理エンジニア検定エキスパートを受験し合格。大学では、画像応用システム研究室に所属し、スキャナー入力画像の裏写り補正を専門に研究に携わっている。
小学生の頃に、スーパーファミコンの『ドンキーコング』にはまって以来のゲーム好きなんです。今でもゲームをしている時間が一番楽しいし、リラックスできるような気がします。画像処理に興味をもつきっかけになったのもゲームでした。単純に、ゲームに出てくるCG画像はどのようにつくられているんだろうと思ったんですね。
大学に入学した頃、画像処理という言葉に対して私がもっていたイメージは、一般の方々のイメージとさほど変わらなかったと思います。単純にデジタル画像の情報を操作して、明るさを変えたり切ったり貼ったりして……という程度の認識でした。ところが、三年生のときに先輩方の研究発表や卒論発表などを見せていただく機会があり、その認識がとても浅はかだったと気づかされたんです。私の大学では、四年生になるときに研究室に入るんですが、そのときの驚きと元々抱いていたゲームのCG画像に対する興味とが相まって、画像応用システム研究室に入ることにしました。
研究室で自分が担当しているのは、スキャナー入力画像の裏写り補正というテーマです。最近は、紙の有効利用ということもあって両面に印刷することが増えてきました。そんな紙をスキャナーでとり込むと、たいていの場合、表の情報だけではなくいらない裏の情報まで薄く写ってしまいます。それを自動的に取り除こうというのが具体的な研究内容です。
画像処理の研究テーマは本当に幅広く、同じ研究室でも他の人はまったく違う研究をしているといっても過言ではありません。自分の研究テーマも広大に広がる画像処理の世界の一つということになります。
研究を進めることは、未知の世界に踏み込んでいくこと。とても大きな困難をともないます。うまくいかず、壁にぶち当たってばかり……。それだけに、いい結果が出せたときのうれしさはひとしおなんです。そんな経験に加え、海外を含めて学会発表を四度することができたことなど、研究をすることを通じてさまざまな貴重な経験をすることができました。
今年、画像処理検定エキスパートに合格することができたんですが、実は三回目の受験だったんです。三年生、四年生のときは連続不合格、そして今年ようやく合格となりました。ちょっと甘く見ていたところがありましたね(笑)。
ただ、受験すると自分で決めて勉強をしたことはとても良かったと思っています。講義を受け身で聞いているだけではなかなか頭に入ってこない知識も、積極的に勉強することで身についてくるということを実感したんです。たとえば、「こうすれば、こうなる」と自分なりにわかっていたことが、「こうすれば、こういう理由で、こうなる」という理解の仕方に変わるようなところがあって。検定受験のために勉強することによって、理解の仕方がより深くなったということだと思います。
実は今、2012年4月入社を目指して就活を始めたところなんです。まだ情報収集をしている時期ですが、今、考えているのはものをつくる仕事に携わりたいということ。ものづくりとはいっても、ハードウェアではなくソフトウェアの方ですね。学部、大学院で研究してきたことを多少なりとも生かせる仕事に就きたいと思っています。どんな仕事があるのかを模索しながら、画像処理検定エキスパート合格ということも含めて自分をしっかりアピールし、良い結果につなげたいですね。