SIGGRAPH2005の幕開けを飾る基調講演が8月1日月曜日の午後に開催された。今年は、映画「スター・ウォーズ」シリーズの監督、ジョージ・ルーカス氏が登壇した。会場には、多くの観衆がセッションの1時間以上前から集まり、長蛇の列をなした。
基調講演はインタビュー形式で、映画制作者のためのイベントの司会などを務めてきたディビッド・カース氏が質問し、ルーカス氏が答えるという形で進められ、スターウォーズからゲームに至るまで多岐にわたる話題があがった。ルーカス氏には何事にも揺るがない明確なビジョンがあり、技術の力を借りてビジョンを表現するルーカス氏のまっすぐな姿勢を目の当たりにすることができた。
冒頭にルーカス氏は、技術革新と自分がどのような関係にあるかという質問に対し、「本当のわたしはストーリーテラー(ストーリーを伝える人)である。私のストーリーは想像もできなかったファンタジーの世界で、ストーリーの存在を信じるために、時にはイリュージョンさながらのシーンを作ることもある。」と述べた。技術を駆使してシーンを創造できる人々には感謝しているという。「わたしはコンピュータには強くない。しかしあなた方のように技術を使える人々がいるおかげで、わたしがすべきことを成す事ができるのである。それはすなわちストーリーを伝えるということだ。」
前人未踏のことを成し遂げることへのリスクについてルーカス氏は「勝てる限りはリスクなど恐れてはいない。ストーリーを伝えることを追い続けることにはリスクは伴わないと信じている」と述べた。またルーカス氏には「困難」という考えはなく、実際の映画が自分の描く表現に正しく合っているかどうかだけに焦点を当てているという。
全6エピソード完成まで30年間の月日がかかったわけだが、最近のエピソードVについて、「(エピソード3)にはさほど真新しい技術を使ったわけではなかった。100%ディジタル撮影、非常に多数のディジタルセットとディジタルキャラクターがすべてシームレスに表現されているのが大きな特徴だと思う。全エピソードにはそれぞれチャレンジがあったわけだが、エピソード3は以前のチャレンジより水準の高いものだったが、すでに分かっていたことだった。」と説明した。
この基調講演は「ディジタルシネマの父とのQ&A」という副題がついていたが、ディジタルシネマの普及に大きな貢献をしているルーカス氏は「ディジタルシネマはかつての映画の考え方とは違うものである。スペースシップのパンショットが非常に難しかったが、これも克服した。若い映画制作者たちにとって(ディジタルシネマは)将来そのもので、いずれ必ず軌道に乗る日が来る」と明確に述べた。サウンドについては「映画から受ける経験の50%はサウンドだと信じている」と述べた。
ゲームについての意見を求められたルーカス氏は、「将来ゲームに話しかけると、ゲームが応答するという人口知能を搭載したゲームが出てくる事を楽しみにしている。そうなったらゲーム界のパラダイムに大きな変化が起こるだろう」と答えた。
今後については、ちょうど一年前に発表したルーカスフィルム・アニメーション・シンガポールのスタジオで、スターウォーズにもとづいたテレビ向けの3Dアニメーションを制作するという。「日本やインドには驚くほどの才能がひしめいている。アジアの才能を使った3Dの時代にも入って行きたいと思う」と述べた。またアジアで制作することでコストを下げることも期待しているという。
最後にルーカス氏は、次の世代の映画制作者たちに積極的にディジタル技術の教育を展開していくつもりだ、と述べ講演を終えた。
基調講演はインタビュー形式で、映画制作者のためのイベントの司会などを務めてきたディビッド・カース氏が質問し、ルーカス氏が答えるという形で進められ、スターウォーズからゲームに至るまで多岐にわたる話題があがった。ルーカス氏には何事にも揺るがない明確なビジョンがあり、技術の力を借りてビジョンを表現するルーカス氏のまっすぐな姿勢を目の当たりにすることができた。
冒頭にルーカス氏は、技術革新と自分がどのような関係にあるかという質問に対し、「本当のわたしはストーリーテラー(ストーリーを伝える人)である。私のストーリーは想像もできなかったファンタジーの世界で、ストーリーの存在を信じるために、時にはイリュージョンさながらのシーンを作ることもある。」と述べた。技術を駆使してシーンを創造できる人々には感謝しているという。「わたしはコンピュータには強くない。しかしあなた方のように技術を使える人々がいるおかげで、わたしがすべきことを成す事ができるのである。それはすなわちストーリーを伝えるということだ。」
前人未踏のことを成し遂げることへのリスクについてルーカス氏は「勝てる限りはリスクなど恐れてはいない。ストーリーを伝えることを追い続けることにはリスクは伴わないと信じている」と述べた。またルーカス氏には「困難」という考えはなく、実際の映画が自分の描く表現に正しく合っているかどうかだけに焦点を当てているという。
全6エピソード完成まで30年間の月日がかかったわけだが、最近のエピソードVについて、「(エピソード3)にはさほど真新しい技術を使ったわけではなかった。100%ディジタル撮影、非常に多数のディジタルセットとディジタルキャラクターがすべてシームレスに表現されているのが大きな特徴だと思う。全エピソードにはそれぞれチャレンジがあったわけだが、エピソード3は以前のチャレンジより水準の高いものだったが、すでに分かっていたことだった。」と説明した。
この基調講演は「ディジタルシネマの父とのQ&A」という副題がついていたが、ディジタルシネマの普及に大きな貢献をしているルーカス氏は「ディジタルシネマはかつての映画の考え方とは違うものである。スペースシップのパンショットが非常に難しかったが、これも克服した。若い映画制作者たちにとって(ディジタルシネマは)将来そのもので、いずれ必ず軌道に乗る日が来る」と明確に述べた。サウンドについては「映画から受ける経験の50%はサウンドだと信じている」と述べた。
ゲームについての意見を求められたルーカス氏は、「将来ゲームに話しかけると、ゲームが応答するという人口知能を搭載したゲームが出てくる事を楽しみにしている。そうなったらゲーム界のパラダイムに大きな変化が起こるだろう」と答えた。
今後については、ちょうど一年前に発表したルーカスフィルム・アニメーション・シンガポールのスタジオで、スターウォーズにもとづいたテレビ向けの3Dアニメーションを制作するという。「日本やインドには驚くほどの才能がひしめいている。アジアの才能を使った3Dの時代にも入って行きたいと思う」と述べた。またアジアで制作することでコストを下げることも期待しているという。
最後にルーカス氏は、次の世代の映画制作者たちに積極的にディジタル技術の教育を展開していくつもりだ、と述べ講演を終えた。
(小林直樹)