CG-ARTS アニメーション実技試験2019 結果発表

 

第1回目となる「2019年度CG-ARTSアニメーション実技試験」では、
専門学校から181名、大学から12名、計193名の課題提出がありました。
試験に参加いただき、ありがとうございました。

絵コンテ

画像をクリックするとPDFが開きます。


課題の形式
アニメーション

20秒以内
※手付アニメーションに限ります。
※アニメーションを評価する試験ですので、モデルはボックス状の人体で構いません。

ソフト

Maya、3DMAX(Biped 、CAT 、フルボディI K、カスタムリグ使用可能 )

動画形式

MPEG4(H.264)

カメラ

1280×720
※カメラデータはレギュレーションを元にご自身で作成してください。

提供するデータ

絵コンテ、3DCGデータ(3DSMaxファイル、FBXファイル)、AfterEffectsファイル(コンポジット用)


評価の項目
ポージング

・演技プランにあったキーポーズが適切に表現されているか?
・人体として正しくポージングされているか?
・コンテで指示されたキャラクタらしさが表現されているか?

タイミング

・演技プランにあったアニメーションが適切に表現されているか?
・重心移動など人体の動きとして自然にできているか?
・タメツメ,メリハリ,演技の誇張表現などが適切に表現されているか?

演出

・絵コンテの意図を理解し,カット割り,カット尺,カットの繋がりが適切に表現されているか?

レイアウト・カメラワーク

・絵コンテの意図を理解し,各カットの構図を適切に表現できているか?
・カメラワークのタイミング,スピードが適切に表現できているか?

尺・仕様

・コンテ(カット数の過不足),尺(20秒以内),サイズ(1280*720),ファイルフォーマット(MP4),タイムコードを入れる,ファイル名などの仕様を守っているか?

2019年度実施 CG-ARTSアニメーション実技試験における成績上位者の提出課題を公表致します。

画像をクリックすると動画が再生されます。 ※総合成績=5点満点

第1位
久保未来
HAL大阪
アニメ・イラスト学科
4.04点

第2位
香川晃澄
HAL大阪
アニメ・イラスト学科
3.92点

第3位
田中駿太
デジタルハリウッド東京本校
専科3DCGデザイナー専攻
3.88点

第4位
新海勇太
トライデントコンピュータ専門学校
CGスペシャリスト学科
3.64点

第5位
佐藤州永
HAL東京
CG映像学科
3.60点

第5位
津村恭平
トライデントコンピュータ専門学校
CGスペシャリスト学科
3.60点

第7位
新井康行
日本工学院専門学校
CG映像科
3.56点

第7位
 
デジタルハリウッド東京本校
3.56点

第9位
谷野駆
HAL大阪
CG映像学科
3.52点

第9位
朱芳イ
HAL東京
CG学科
3.52点

第11位
大西莞太
HAL大阪
CG映像学科
3.48点

第12位
大橋めぐみ
東北電子専門学校
CGクリエーター科
3.36点

第13位
村川稜
HAL大阪
CG映像学科
3.32点

第14位
張山巧人
トライデントコンピュータ専門学校
CGスペシャリスト学科
3.28点

第15位
Lo Chak On Alvin
HAL名古屋
CG映像学科
3.24点

第15位
秋生悠
東北電子専門学校
CGクリエーター科
3.24点

第17位
濱野歩
HAL名古屋
CG映像学科
3.20点

第18位
吉井美沙希
HAL大阪
CG学科 CGアニメーション専攻
3.12点

第18位
曲澤崇
日本工学院八王子専門学校
CG映像科
3.12点

第20位
工藤匠史
吉田学園情報ビジネス専門学校
コンピュータグラフィックス学科
3.08点

 

 

 

総評

採点企業5社からの、今回の試験への総評をご紹介します。


学生の皆さん、本当にお疲れ様でした。皆さんの作品を一人ずつ拝見させていただきました。採点基準は提示されている内容に沿ったものですが、特に以下の事に注視して採点させていただきました。

【ポーズ】

  • キャラクター性を感じられるか?
  • 重心が正しいか?
  • ストーリーが伝えられているか?
  • (加点要素)面白みのあるポーズ、演技にチャレンジしているか?

【タイミング】

  • 物理法則に沿った加速減速が表現できているか?
  • 重さが感じられるか?
  • (加点要素)タイミングの誇張にチャレンジしているか?

【演出】

  • カットの長さが適切か?
  • カットの繋ぎが適切か?
  • (加点要素)コンテにはないアレンジにチャレンジしているが演出意図を壊していない。

【レイアウト】

  • 見やすいレイアウト、カメラアングルか?
  • (加点要素)コンテにはないアレンジにチャレンジしているが演出意図を壊していない。

と言うように細かく色々ありますが、根っこの部分は「観客に伝わるか?」です。
私たちは観客に正しくストーリーとキャラクターを伝えなければなりません。動きに違和感があったり、キャラクターのリアクションが不自然だったりすると観客は映像に入り込めなくなります。【ポーズ】【タイミング】の場合は、自身の動きやポーズを分析したり、資料を観察した結果が感じられないと厳しい点にしています。【演出】【レイアウト】もカットが短すぎたり、分かりづらい構図だとそのようにしています。

今回は他社様よりも大分採点が低くなってしまい、皆さんにショックを与えてしまったかもしれませんがどうか気を落とさないでください!キャリアを積んだアニメーターでもリーダーやスーパーバイザー、監督からの指摘を受けて「気付き」と「成長」を重ねていくものです。もちろんコメントを書いた私自身もそうです。なので今回の試験の点数のみに一喜一憂せず、様々な会社様のコメントを参考に今回の課題をアップデートし、作品の一つとしてデモリールに加えて応募してきてください。

「おっ!前回よりも格段に良くなっている!」と思えるのを楽しみにしています。
みなさん、頑張ってくださいね!


多くの学生の皆様の意欲や熱意を感じられる作品が多く、見ていても甲乙付けがたい作品も多数ありました。中には絵コンテには記載されていない部分まで自分で考えてアニメーションを作っている方もいて大変驚かされました。どうしてもプロの視点からの評価とコメントになってしまうので、最低限絵コンテを読み取っての基本的な動きや演出が成立していないとコメントが難しいものもありました。
弊社は主に下記に重点を置いて採点させて頂きました。

■ポーズ

  • 人間として自然な動きになっているか
  • 重心の移動が正しく行われているか
  • 上記を前提として、アニメーションならではの面白い動きがあるかどうか

■タイミング

  • 実際にケンケンパをやった際の自然なタイミングに近いかどうか
  • 上記を前提として、アニメーションならではのメリハリがきいたタメツメがあるかどうか

■演出

  • 絵コンテの指示を適切に表現出来ているかどうか
  • キャラクター性が表現されているかどうか
  • 絵コンテには描かれていないが、さらに全体の雰囲気を底上げ出来る要素をいれているかどうか

■レイアウト

  • キャラクターと周囲の空間のバランス
  • 見ていて気持ちの良いカメラワーク
  • 違和感の無いカットの繋ぎやカメラワークのスピード

全体的には、絵コンテの内容を読みきれていないという印象を多く受けました。まずは絵コンテの内容を理解して表現し、アレンジやプラスアルファを加えるのはそこからになるかと思いますので、そこを意識されると良いのではと思います。

絵コンテは全ての作品に存在し、設計図とも呼ばれる物になりますので、絵コンテを読む力は大変重要になります。又、動きに関しては、日常芝居であればまずは自分自身で動いてみる、という部分が出来ているか否かによって、作品の完成度に大きな差が見られたかと思います。

キャラクターに演じさせる以上、アニメーターは「役者」とも言われることもありますので、頭のイメージとは別に、常に自分でも演じてみることを意識すると良いかと思います。

キャラクターのほんの小さな仕草一つをとっても、見てくださる視聴者の方々には様々な印象を与えます。その作品、そのキャラクターをより魅力的に表現する為にはどうしたらよいか?常にそれを考え続け、またそれを楽しみながらアニメーション制作を行って頂ければ幸いです。

いつか皆さまと実際の現場で一緒にお仕事が出来る日を楽しみにしております!


今回は、コンテの意図を読み取れている学生か否かで大きく評価が左右される方が多かったと感じました。
なぜならば、プロの現場では、画コンテから正確に最終画面を想像できている人が求められるからです。
我々はアニメ制作会社なので、お客さんの求めるアニメ表現の範囲から、少しずつ映像表現の幅を広げています。あまり突飛にCGっぽさが強くなりすぎるとお客さんは嫌悪感を示してしまいます。

そのため、過去のアニメの良いところをリスペクトし踏襲しながら、半歩くらい尖った挑戦をしています。
日本には、先人たちが試行錯誤した大量の作品が、我々の教材として存在しています。

プロの現場でも行われているように、学生のうちに、まず定石(先人たちが何度も考え、奇抜な表現などを重ねた上で、これ以上ないという勝ち筋の手)を学び、良作と呼ばれる映像とコンテを見比べて(コンテ集として売られています)コンテから完成図を読み取る力をつけ、映像の作法(型)を身ににつけましょう。

型を知った上で破るのが型破り、型を知らずに己を通すと形なしになってしまいます。


アニメーションはポーズとタイミングとスペーシングの3点に注目しました。

その中でも特にタイミングとスペーシングの2つが観察力不足だと感じました。

ほとんどの人は想像で作っているのかと感じてしまったので、もっとリファレンスになる動画を撮影するか探すなどして観察する必要があると思いました。

あと今回のレイアウトに関してはコンテ通り作れば変になることがありませんが、構図やレンズの選定がバラバラだったのでもう少し勉強が必要だと思いました。


少し厳しい意見ですが、正直なところ、項目ごとの採点基準に達していない作品が半数くらいありました。
もっとアニメーションに興味を持ち、動きの観察や基本的な技術の研究をして、イメージするアニメーションを表現することの楽しさを実感してほしいと思いました。
今回、各項目に対して下記の点を注視して採点させていただきました。

[ポーズ]:グッとくるキーポーズ、重心バランス、シルエットの意識、軌道など
[タイミング]:スペーシング(タメツメ)、重量感、重心移動、先行動作、のこしの動きなど
[演出]:コンテ指示の理解、キャラクター性の理解、アクティングプランなど
[レイアウト]:構図、カメラワーク、カットつなぎ など

採点させていただく中で[ポーズ]と[タイミング]に関しては、どうしてもアニメーション全体のバランスでみてしまうので、分けて考えるのが難しい部分でした。
全体的な印象として、下記のようなアニメーションの計画があいまいになっている人が多かったように感じました。(もちろん意識している方もいました。)

・キャラクター設定の理解、解釈
・コンテの意図をくみ取り、見せるポイントの整理
・アクティングプラン
・プリビズ(ブロッキング、自撮りムービー、ビデオコンテなど )での展開の計画

上記のような点を重視し、きちんと計画を行うことでもっと効果的にアニメーションを成立させられると思います。
今回の経験を糧にして、アニメーションの楽しさをぜひもっと感じられるようになっていただけると、とてもうれしいです。

 
採点分析

各社の採点分布状況を確認頂けます。


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