8月7日火曜日の朝8時30分からスペシャルセッション「"Transformers": Giant Frickin' Robots(馬鹿でかいイカしたロボット)」がRoom6 DEにて催された。 スピーカーはCGプロダクションのIndustrial Light & Magic(ILM)。
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●日本発のロボット玩具が映画のモチーフ
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「トランスフォーマー」とは、変形ロボット玩具シリーズの総称である。「トランスフォーマー」と呼ばれるロボット生命体が正義の「サイバトロン(AUTOBOTS)」と悪の「デストロン(DECEPTICONS)」に分かれて戦う、というストーリ設定。
もともとタカラ(現タカラトミー)から国内で販売されていた『ダイアクロン』『ミクロマン』シリーズをアメリカのハスブロ社が「TRANSFORMERS」として販売したものが米国内で大ヒット、それを反対に日本へ逆輸入したものだ。
マーベル・コミックによって漫画やアニメも作成されており、今回は、この夏7月4日にドリームワークス制作、パラマウント映画配給で、実写映画として全米公開された。
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●ロボットの製作の裏話を紹介
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スペシャルセッションではこのイべント担当のSiggraph Co-Chairmanが始めに挨拶をすることになっている。
今年のCo-Chairmanは、ILM出身の Jerome Solomon氏。彼曰く、先だって日本人ツアーに特別講演があった際、このセッションの紹介をしたそうだが、タイトル(Giant Frickin' Robots)と言ったとき日本人ツアーから笑いが沸きあがったそうだ。同時通訳者がどのようにこのタイトルを日本語にしたのか非常に興味がある、というコメントがあった。
このセッションでは、映画トランスフォーマーに登場した各ロボット製作過程の思い出を、カットを観ながらスーパーバイザーレベルのスタッフ達が打ち明ける、というもの。 プレゼンターはILMより、VFXスーパーバイザーのScott Farrar氏、Russell Earl氏、アニメーション・ディレクターのScott Benza氏、デジタル・プロダクション・ディレクターのJeff White氏、デジタルマット・ディレクターのRichard Bluff氏。
Industrial Light & Magic「アルマゲドン」といった実写映画製作出身のマイケル・ベイ監督を迎え、フルCGのロボットキャラクターをいかに実写に馴染ませるか、そしてCGキャラクターのカメラワークの試行錯誤が大きな課題となったようだ。リアリティを追求したフォトリアルスティックなシーン製作の技術について色々と語られた。
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●総勢350人のスタッフが参加
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この映画製作には、ILMからはシンガポール部隊も含め総勢350人のスタッフが携わったという。登場するロボットは黄色の1976年から最新モデルのカマロをモデルとした、主役的存在の「バンブル・ビー」を始め14体あり、これらは最高11000カ所以上のジオメトリパーツで作られている。今まで映画に登場した巨大ロボットというのは、ズシンズシンと地面に地響きをたてながらスローで歩くものがほとんどだった。監督からのリクエストでもあったが今回のロボット達は、迅速なアクションをする。空手といったマーシャル・アーツの動きを参考にし、トランスフォームするときは、'Limbo(リンボー)'的アニメーションにストリートダンサーの動きも取り入れた。しかしこれらは、モーションキャプチャは行われていなく、あくまでも実写は参考としてで、ほとんどキーフレームに割り当てて作成された。
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●反射系ロボットのライティングにこだわり
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また、一番こだわった事の1つとして、ライティングがあげられる。つまりロボット(変身する前の車も含めて)のパーツは反射系のものばかりだからだ。 それに日中のシーンが多いため、いかに周りと馴染んだ自然体に見せるかに拘ったそうだ。
視聴者が目を見張る"トランスフォーム"とそのデザインについてだが、各パーツがどのように変形するかということよりもむしろカメラアクションを重要視したアニメーションデザインにし、それを追従するカメラアングルに駆使した、という。カメラアクションといえば、巨大なロボットの存在感を持たせるためにカメラ位置をかなり下げて撮ったシーンが多かった。ドリームワークスは、今回の映画製作に高い評価と満足感を得ている。
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