


このたびは最優秀賞という大変名誉ある賞をいただき、本当にありがとうございます。CGと聞くと普通の人には作れない様なイメージがあります。聞けば誰でもできる様な、難しい技術を使用していない本作が受賞したことで、コンセプトやアイディアの大切さを感じました。これを励みにまた自分なりにデジタルアート、ビジュアルデザインというものを考え、制作していこうと思っています。

アイデアは単純でも、複雑で見事なグラフィックに仕上がっている。この幸福な結果は、作者がさまざまなところで辛抱強く撮影を続け、出来上がったものから学び、要らないものは捨てるといった具体的な作業を繰り返し、その成果を自分のものにしたからこそ生まれたものだろう。都市研究とファンタジーの高い次元での融合がこの作品の魅力になっており、審査員全員がそれを讃えた。 |

個人的な記憶から成る作品ですが、何かひとつ突抜けたものを作る事が出来たなら、
きっと自分以外の人ともイメージを共有出来ると信じて作りました。これからも作り
続けられるように努力していきます。この作品を「好きだ」と言って頂いたすべての
皆さんに感謝します。この度は、ありがとうございました。

静止画像として撮影した日常風景を印画紙に出力し、一枚ずつ切り出し時間軸にそって
積み重ねてアニメーション化していくという独自性ある表現が、作者自身の記憶と結び
つき不思議な世界を描き出している。自身のイメージを形作るために実験を繰り返しま
とめ上げた本作品はコンセプチュアルな映像表現として完成度が高く、将来性があり今
後の展開が楽しみな作品だ。 |

今回の受賞、大変うれしく思っています。この作品は、技術的な面で苦労した部分が多
く、試行錯誤を繰り返し、周囲の人々にアドバイスをいただきながら、やっと展示できる
までになりました。誰も次にどんなイメージがでてくるのか分からない。互いにすれ違
い、かみ合わない音声とイメージ、言葉。いびつな状況。思考と視覚の錯乱の渦に呑み
込まれてもらえればと思います。

本作品はネットから採取したニュースを読み上げながら、関連するイメージを最初はゆ
っくりと分かりやすく、徐々に加速しながら表示していく。加速するにつれて、ある段
階で我々は意味を追うことを断念してしまう。メディアアート然とした作品でありなが
ら、MADニュースのようなサブカルチャー的なノリもあり、こどもの言葉遊びの様相も
ある。見る人に応じて多様に開かれている構造を持つことがこの作品の強さである。 |

私はこれまで、音楽に主眼を置きつつ、絵と音楽とが全く対等であるアニメーションを
目指し制作をして参りました。今回この「特別賞」を頂けたことはとても意味のあるも
のだと感じ、喜びをかみしめています。演奏者のみんな、そして支えてくださった方み
なさまに感謝し、これを糧にもっともっと精進していきたいと思います。ありがとうご
ざいました。

作者は昨年に引き続きの受賞である。昨年同様、自作の楽曲と自作のアニメーションと
のコラボレーションというスタイルを踏襲している。どこか懐かしさを感じさせる独特
のアニメーションと軽快な楽曲は顕在だ。今回は携帯電話が持つアイロニーを作者の持
ち味を損なわずにテーマとして取り込んだところに、進歩が見られる。ひとりの作家が
成長していく過程を見ることが出来るのは、審査する側にとっての喜びでもある。 |
※講評は第14回審査委員による審査講評です。
※所属、学校名、学年は受賞当時のものです。