日本工学院専門学校にて、協会委員の小澤氏が特別講義。
CG-ARTSの認定教育校である、日本工学院専門学校 コンピュータ・グラフィックス科にて、協会委員の小澤賢侍氏に特別講義を実施していただきました。小澤氏は、株式会社プレミアムエージェンシーで、ゲームを中心とした3DCGコンテンツの制作に、長年従事されており、とくにモーションキャプチャを専門としています。
「3DCGアニメータへの道」と題した特別講義の受講者は約50名で、その多くはゲームクリエイター科とコンピュータ・グラフィックス科の1年生でした。加えて、聴講を希望した上級生も数人含まれていました。さらに、ちょうどオープンキャンパス開催中だったため、体験入学中の高校生も参加されました。
小澤氏は、手描きの2Dアニメ、手付けによる3DCGアニメ、モーションキャプチャを用いた3DCGアニメ、物理シミュレーションを用いた3DCGアニメの順に、それぞれの制作手法の特徴を解説していきました。
モーションキャプチャの解説では、アメリカAutodesk社のMotionBuilderの実演。
また、物理シミュレーションの解説ではドイツCrytek社のCryENGINEや、イギリスNaturalMotion社のendorphinの紹介映像を用いました。具体的なビジュアルを多用しながらの解説は、とてもわかりやすいものでした。
さらに、学生がCGを学ぶうえでの心構えについても言及され、「ゲームは集団作業なので、コミュニケーション能力は重要です。モデラー、アニメータ、プログラマなど、いろんなスタッフがいます。彼らと言葉が通じなければ仕事になりません。少なくとも、CG-ARTSのテキスト『ディジタル映像表現』に書いてある内容は理解しておいてください」と、コミュニケーションのための知識修得の重要性を語りました。
加えて「今後のゲームの主流は、ムービーではなく、リアルタイムです。とくに、リアルタイムのライティング、カメラワーク、編集のクオリティが差別化の鍵になります。残念ながら、日本のゲームはこの点でアメリカのゲームに負けています。今後学生が腕を磨くなら、ぜひこの分野で挑戦してください」と、最先端技術が投入されたアメリカのゲームの紹介映像を見せ、学生に発破をかけました。
最後に「自分が得意な分野を学生の間に把握し、それを深掘りし、世界を相手に戦える人材になってください。日本だけでなく、世界でどんなゲームが作られているのか、CG屋の目でリサーチしてください」と語り、世界を視野に入れた情報収集の重要性を強調しました。
実際に制作現場で日夜映像作りに取り組んでいる小澤氏のお話は、とても説得力に満ちていました。また、解説にビジュアルを多用したため、アニメーションを勉強し始めて間もない学生も、すんなりと内容を理解できたようでした。講義後には数名の学生が小澤氏のもとに質問にくる場面もあり、業界を目指す学生の勉強の励みになる講義だったと、好評を頂きました。
開催情報
■日程
2009年10月4日(日)
■会場
日本工学院専門学校 クリエイターズカレッジ 蒲田キャンパス
(東京都大田区西蒲田5-23-22)
http://www.neec.ac.jp/index.html
■時間
13:30〜15:00
■講師
小澤 賢侍 氏(株式会社 プレミアムエージェンシー)