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インタビュー CAFチェアのポール・デベヴェック氏
「今年の特徴は液体」
2007.08.09




 コンピューターアニメーションフェスティバルのChairはポール・デベヴェック(Paul Debevec)氏。氏は、南カリフォルニア大学で、複数のアングルから撮影された写真を用いて、写実的な3次元モデルを作成する、イメージベーストモデリング/レンダリングの手法を1997年に開発。さらに1999年には、露出を変えた複数の写真から、明暗のコントラストが高いハイダイナミックレンジイメージ画像を作成し、これをCGの光源に使用するイメージベーストライティングの手法を開発した。同氏に、今年のコンピューターアニメーションフェスティバルについて話を聞いた。
 氏は、今年の特徴は、例えば、液体のシミュレーションだという。「各作品は皆リアルに見えながらも、そのキャラクターが全く異なる」という。「映画「300」では、暗く恐ろしい海。シャープで硬質な表現です。逆に、「Surf's Up」は、夏のペンギンと波です。」
 今年Best of Show を受賞したのは、エレクトロニックシアターで上映された「ARK」(箱舟)。ポーランド人のグジェゴシ・ジョンカジツキ(Grzegorz Jonkajtys)監督、マーチン・コビレッキ(Marcin Kobylecki)氏製作によるインデペンデント映画だ。カリフォルニア州のCAF? FXでVFXアーティストとして活躍する両氏が作ったこの作品を、デベヴェック氏は、「この作品がメジャースタジオで作られていないことに、制作の価値がある」という。キャラクターの目、ダストなどのパーティクルもすばらしく、すべてのシーンがリアルに見える。肌のライティング、主人公が廊下を歩いていくショットなど、ラジオシティとレイトレーシングが統合して、すべてが素晴らしいという。
 なおエレクトロニックシアターの初日には、Pre Showとしてジム・ブリン、グレン・エンシス、ジョン・ノールの3氏が登場し、レーザーを使ったベクトルグラフィックスのテレビゲームに興じた。氏はこの演出を、ベクトルグラフィックスで作られた、CGの歴史を強調したかったためと説明する。さらに、テレビゲームとエンターテインメントのコンバージェンスにも焦点を当てたかったという。

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