回想/Memory of the Rotary Motion

批評性を売りにしたインスタレーション作品ほど、そのコンセプトを観覧者に伝えることが難しくなるものですが、本作は伝えることへの意志を強く感じました。PC、タブレット、スマートフォンなどもはやどんな環境でも映像と対面することができる今の状況下において、「映像」という1つのジャンルの持つプリミティブな作用と魅力を、マイブリッジとリュミエール兄弟を「引用」しながら見せる。そのコンセプトワークと批評性を活かし届けるために、空間演出、ハードの設計、プレゼンテーションの方法すべてに気配りのできている点が素晴らしいと感じました。これも現場で体験したい作品の1つです。
(武田俊)

鹿野 洋平
多摩美術大学
インスタレーション