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第12回学生CGコンテスト総評

今年で学生CGコンテストは12回を迎え、応募総数も千点を越え、メディアアートのコンテストとして名実ともに世界でも有数のコンテストとなった。近年は学生を対象とはしているものの、応募作品は一般やプロフェッショナルを含めた世界的なコンペティションにおいても、この学生コンテストでの作品が多数選抜されている。

ここに応募する学生は、十分な制作時間をもち、効率性や経済性などのさまざまな制約に縛られない、自由な発想と思考能力を持った高度な制作者集団としても捕らえることができる。

この背景として、いくつかの要因が挙げられる。静止画・動画を中心とした分野では、作品制作環境を支えるコンピュータの飛躍的な能力の向上や画像生成・編集ソフトウエアの充実によって高品位な画像がプロ・アマの区別なく比較的安価に制作できる環境がある。

またインタラクティブアートを中心とした作品分野に顕著であるが、論理的な思考能力と芸術的な感性を持ち、人間の感覚・知覚・意味行動に対しても考慮することができる総合的な能力を持った人材がデザイン芸術系のみならず数理系の学生も含めて育成されつつあることがあげられる。彼らには、各種入力装置や情報出力装置などを人間の五感や環境とのかかわりの中で多岐にわたる論理展開ができる力を芸術的表現をもって昇華させる試みがなされている。また学生自身や教育機関が競争的な環境に身をおき、自らの制作能力の向上とともに、身の回りの世界での評価ばかりでなく全国や世界の中での作品の位置づけを求めている傾向もある。

このように学生のメディアアートへの取り組みが広範なメディア技術の理解や表現世界の追求中で展開していることは、芸術とテクノロジの融合にとって好ましい方向である。

わが国は今コンテンツ大国を目指し、さらなるユビキタス社会の構築に向かって政府戦略を展開している。わが国が世界のリーダとなるためにも、近年の学生CGに見られるような豊かな感性と世界レベルで活躍のできる高度な制作能力を備えたクリエータの育成は、現在急務とされており、このコンテストは、こうした側面からも特別な意義を持ってきている。このコンテストの母体である、黎明期からわが国のCG教育を感性と論理の両面から支えてきた教育カリキュラムの開発やクリエータの育成授業を積極的を行ってきたCG−ART協会の取り組みや文化庁をはじめとする政府の理解にも敬意を表したい。

学生CGコンテスト審査委員会 審査委員長
源田悦夫
(九州大学大学院教授)

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