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2019/5/10更新

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本連載ではクリエイティブ業界で活躍する方々に、ご自身の学生時代から現在にいたるまでの経験や、業界を目指す若手へのメッセージを語っていただきます。今回登場いただくのは、株式会社ハル研究所で、ツール開発を担当している八坂俊さんです。ハル研究所はコンシューマ向けのゲームソフト開発会社で、代表的なタイトルには「星のカービィ」シリーズや「ハコボーイ!シリーズがあります。ゲーム会社への就職を希望、入社を経て、現職にいたるまでの歩みのなかで、どのような経験を積み、何を感じてきたのかを語っていただきました。


勉強方法について教えてください。

成績最優秀者に贈られる文部科学大臣賞をCGクリエイター検定エキスパートで受賞

まず初めに問題集を1回分だけ試験のつもりで解きました。それによって苦手なところが把握できたので、その後はテキストをひたすら読み込みました。まずは一通り目を通し、わからなかった用語は単語帳を作って覚えるようにしました。またテキストだけでは理解できないところは、ネットで検索して調べたりもしました。ゲーム開発の仕事に携わっていたことで、幸いなことに関連する背景知識や知っている用語が多少ありました。そういう意味では、一から勉強を始めるよりはアドバンテージがあったと思います。勉強期間は約2ヶ月、その日のノルマを決めて、帰宅後に一時間半ほどテキストを読みました。問題集の残りの2回分は試験の直前に解き、概ね合格ラインだと確信をもって、試験に臨みました。
両検定とも合格することができましたが、正直なところ自分はグラフィックス専門のエンジニアとして活躍するというレベルにはまだまだ至っていないと思っています。ですが検定受験の勉強をとおして背景知識を得たことで、手法名や専門用語に憶することなく会話ができるようになったことがとてもよかったですね。

 

ご自身の仕事を今後どのように発展させていきたいか教えてください。

まだまだ勉強することは沢山あるなと思っています。引き続き勉強勉強ですね。よりCGに対して、詳しく勉強して理解を深めて、自社のゲームクリエイターに対して、こういう表現方法があります、とか、こういう場合はこの表現ができますよ、と提案できるようになれるといいなというのが1つと、プログラマーとして必要な知識は沢山ありますが、自分の場合にはC#についてより理解を深めること、phpやJavaScript、Ruby等々を強化して、伸ばしていきたいと思っています。

 

この道を目指す方へのメッセージをお願い致します。

ゲームプログラマーの方へ、あくまで持論ですが、ゲームプログラマーを目指そうと思ったとき、プログラミングスキルを上げようとか身につけようとかすることに注力しがちになると思いますが、それだけではなく、少し視野を広げて、自分の得意なスキルとか、好きなものを伸ばすことも考えてみるといいと思います。例えば、自分が必要だなと思っているスキルはコミュニケーションスキルです。開発の際は、デザイナーさんと相談したり、ディレクターさんと仕様について談論したりと、沢山のことを沢山の人たちと会話をする機会があります。そんななかでプログラマーとして、実装のメリットやデメリット、仕様に関してきちんと理解した上での提案が必要になります。相手の話を聞いて、理解して、相手のわかりやすい言葉で伝え、提案するなどのコミュニケーションスキルを高めることはプログラマーとして、とても大切だと思っています。プログラマーというと、兎角プログラミングに走りがちですが、コミュニケーションスキル、その他のスキルにも視野を広げて、自分の得意なことを伸ばしていくということがこの業界での活躍の近道なんではないでしょうか。

 

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