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誤解なく意図を伝えられるようにするために

ー 今回の受験体験を通して得たものがあれば教えてください。

塚原:普段の業務のなかで、Webの言葉もなんとなく知っていたけど、ちゃんと説明してって言われたらなんだっけそれ。ってなるのを、ちゃんと勉強して理解することができました。ラジオボタンとか、プルダウンとか、ちゃんと使い分けがあるんだなってことを気付けました。ゲーム業界でも、最近はアプリ内でWebビューを使った表示などが多くあります。直接Webをつくる業務でなくても、UI、UX的なところを知るうえでも役に立つと思いましたし、知っておくべき内容だと思いました。Webの知識がゲーム業界内でも必要なのでは、ということを、みんなうすうす感じていると思いますが、どうやって勉強していいかがわからないんだと思います。そんなときにこの検定の存在意義があると思います。

磯野:異業種だからこそ、とくに管理者や発注者側が受験するべきなのでは、と思いました。教科書には体系的にWeb業界の内容がわかりやすく書いてあるので、手っ取り早く知識を得るには良い教材だと思いました。

小西:今まで業務のなかで携わってきたWebの用語やしくみが整理されたところはありました。パンくずリストってそういう由来なんだなって(笑)。

一同:わかります、今回の一番の発見でした(笑)

小西:プロジェクトを最短距離でゴールさせるために、専門用語の共通理解も大切だと思いました。会話ができるようになるので、発注側、受注側が誤解なく意図を伝え合えるようになります。部署全体で取り組んだことで、みんなが同じ経験をできたことを有意義に感じています。今後、仕事をしていくなかで必要なときはこの教科書を開けばいいんだなと思いました。

小林:これまで仕事をしてきたなかで、なんでここでちゃぶ台ひっくり返すの?っていう、Webプロデューサーによく言われていたことを思い出しました。今回の勉強でWebのしくみを理解することができたので、制作者側の大変さがわかるようになりました。言い換えればこの検定は、Web制作者にやさしくなれる処方箋のようなものだと思いました(笑)。

磯野:そうですね(笑)。直せない、直しにくいものがあるんだってことがわかりました。

 

わからないことは放っておかない

ー これから社会人を目指す方へのメッセージをお願いします。

小林:ぼくらの部署でいうとイベントを扱っているので、リアルなものとアンリアルなものを上手に使いこなすことが目標です。Webデザインに限らず、デジタルというものを目指すうえでは、このテキストを読んでから門をたたけ!と言いたいです。ここの知識を避けずにやりたいことを目指していってください。

塚原:学習というキーワードでいうと、知らないものを知らないままにしておかない習慣が大切だと思います。普段の日常のなかでは、よくわからないままにしがちなキーワードを、こうした検定を受験することで、勉強しなきゃっていうきっかけになる。気になったらなんでも調べるようにクセをつけることを若いうちからしたほうがよいです。

磯野:検定って勉強するきっかけになるじゃないですか。じゃあ検定を受けるきっかけってなんだろうって思ったときに、会社がプログラムを組んでくれるところもあるかもしれませんが、相当珍しいことですよね。我々も働いていると普段受験するきっかけはほとんどないと思います。でも、学生のときって受けるきっかけやタイミングは結構あると思います。そういうチャンスがあるのに、受けないのはもったいない。積極的に利用していってください。

小西:若い子たちに、わからないままブラックボックスにするなよ、とはよく言っています。ブラックボックスにしておくと応用が効かなくなってしまいます。成り立ちとか由来も含めると教養になってくると思うんですけど、そういったことを知れば知るほど仕事がやりやすくなってくると思います。学びの機会は自分でたくさん積極的につくっていってください。


CG-ARTSのWebデザイナーのカリキュラムと検定が、専門職以外の方からどんな評価をいただけるのか、感想をお伺いするまで不安な部分がありましたが、今回の受験体験のインタビューを通してその有用性を確認することができました。

現在はスマートフォンやタブレットに代表される情報端末の進化や技術、デザインの発展によって誰もが業務や生活のなかでWebサービスを利用する日常になっています。専門職の枠を超え、デジタル技術を利用する多くの方にとって必要とされるカリキュラム、検定であり続けられるよう、今回のご意見を真摯に受けとめ、カリキュラムや検定の制作、実施の改善に取り組んでいきたいと思います。

今回ご受験、取材にご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。

取材:CG-ARTS 篠原たかこ テキスト:黒川崇史 写真:影山由夏

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