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異なる領域の知識が役に立つ

ー 受験をしてよかったことや、気づいたことがあれば教えてください。

本城:

CG検定のすばらしさを思い出しました。社員にもぜひ受けてもらおうと思いました。

谷口:

うちのスタッフだったら問題解けるのかな?この問題は専門性が強いので職種によってはわからなくても仕方ないか、と感じつつも、ここは最低限知っておいて欲しいな、と思いながら試験を受けていました。スタッフたちにも検定試験を通して、学んでもらいたいと感じました。

本城:

ゲーム業界は、5年程前にガラケーソーシャルから入り、そのあと2Dゲームが流行ったため、5年前に業界に入った人達は、ほぼ3Dに触れずにきた人が多くいます。それ以前に、コンシューマゲームに携わってきた人達は現状問題ありませんが、VRとかにシフトしようとしている今、特にプランナー職の人達はついてこれなくなってきている人もいるかもしれません。CGクリエイター検定を受験すれば、追いつけるんじゃないかと思いました。

谷口:

CG業界を大別すると、映像系とゲーム系。それぞれが知っておくべきことは少なからずとも領域の差はありますが、いつ如何なるときに、まったく違う領域の仕事が舞い込んでくるかもしれませんし、そういったときに困らないよう、両領域の共通言語となる言葉を知っておくことが大切だと思います。

笹原:

アニメ系とフルCGでも違いますからね。

 

貪欲に学び、挑戦することが、力になる

ー この業界を目指す方へのメッセージをお願い致します。

谷口:

学生のうちは、専門分野に特化するのではなく、色々なことを経験して欲しいですね。まずは一通りのことを途中で諦めずに学んでください。たくさんのことにチャレンジをしていくなかで、自分に向いているものが見つかるはずです。特に学生のうちは、好き嫌いせず、何事にも挑んで欲しい。プログラム、アート、知識のすべてに対して、貪欲に学んでいこうとする意識が大事ですし、エンジニア、クリイター関係なく、学べることは学んでください。そうして培ったことが、業界に入ってから縦横のつながりや、他社さんと仕事を進めていくなかで、大いに役に立ちますから。広い視野で物事を捉えてもらえるとよいですね。

笹原:

検定を受けてみて、まだ現場だったときに苦手だったところが、同じく苦手だったので、基礎的なことや、用語の意味を知っておくことは重要だとあらためて思いました。これからこの業界を目指す方は、知識や用語の意味といった下地になる基礎知識を軽んじず、勉強して欲しいですね。

本城:

学生時代にエキスパートを取得し、基礎知識を身につけて現場に入ったおかげで、困難なことにも対応できました。これからプログラマー、プランナーを目指す方は、CGクリエイター検定を取得していれば、ゲーム会社に入るときには相当なアピールにもなりますし、その知識を持っているという裏付けにもなるので、ぜひ受けて欲しいと思います。また、ゲーム制作の現場では職種が3つほどに分かれており、それぞれが専門の知識を持っているスペシャリストが、基礎知識を網羅的に学べるCGクリイエター検定をもっていれば、専門領域外のスペシャリストとの会話にも、かなり役に立つと思います。自分自身もそうでしたから。

谷口:

同じ特技を持った二人のどちらかを採用しなくてはいけない場合、その特技以外のことが底上げされている人材を選びます。特技以外の部分で、いかに色んな知識を補填しているかどうかが需要です。正直なところ、この業界で働くには資格が必須ではありませんが、自分自身の向上心の意識として、検定を受けてみようとか、分野は違うけど勉強してみようとか、色々な知識を学ぼうとする志はとても大切です。そういう姿勢は、会社側も見てますし、伝わります。僕自身、本来は、学校から指定されていた時期に受験しなくてはいけないところを、勝手に前倒しで他のみんなとは違う時期に受験してしまいました。おかげで、授業の理解も早かったし、その分色々なことに取り組める時間の余裕ができました。 誰かに言われて何かをするのではなく、自ら進んで学びに行く。自主性を持ってもえらえるといいですね。そういう気持ちを持って邁進すれば、きっと5年、10年先もよい結果を出し続けられる人になっていると思います。

本城:

美しくまとまってよかった!もっとグダグダになるかと思ってましたよ(笑)

谷口:

いや~でも、今回の受験は、あらためておもしろかった!笹原さんの不合格という落ちもあったし(笑)。

笹原:

いやいや本当に落ちてしまいましたが(笑)…楽しかったです!

 

CG-ARTS検定の詳細はこちら

取材:CG-ARTS 篠原たかこ テキスト:影山由夏 写真:黒川崇史

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笹原晋也さん

株式会社アニマ
代表取締役


1973年石川県生まれ。株式会社アニマ代表取締役。CGアーティスト出身でありながら、コストを強く意識した経営方針を推し進め、事業規模を約10倍に伸ばす。「世界に通用するCGアニメーション制作」を視野に入れ、海外案件獲得に向けた研究開発にも積極的に取り組んでいる。

谷口充大さん

株式会社テトラ
代表取締役


1984年愛知県稲沢市生まれ。株式会社テトラ代表。専門学校卒業後、株式会社白組に入社。2006年に退職したのちフリーランスとして1年を過ごし、2007年8月に株式会社テトラを設立。コンピュータグラフィックスや実写合成の映像を企画、制作し、オリジナルの映像やグラフィックスの制作から映画やCM、ゲームムービーや遊技機映像等、活躍する範囲は多岐に渡る。また、雑誌『CGWORLD』ではインタビューから技術的TIPSまでライターとしても活躍中。

本城嘉太郎さん

株式会社モノビット
代表取締役社長


株式会社モノビット代表取締役社長。神戸出身。サーバエンジニア、ゲームプログラマを経て、モノビットを創業。『ゲーム』と『ネットワーク』のテクノロジーをベースに、あらゆるエンターテインメントコンテンツの制作とプロデュースを行っている。ゲーム向けリアルタイム通信エンジンをミドルウェアとして販売しつつ、ゲームタイトルやVR/ARコンテンツの企画・制作を行う。CEDEC等、講演実績多数。スッキリ!!出演など、幅広く活動中。