s1 トップ
s2 最新情報
s3 解説記事
s4 SIGGRPAH開催と教育関連
s5 CGツール報告
s6 映像レポート
s7 SIGGRAPH2007CFP日本語訳
s8 SIGGRAPH情報
s9 CG-ARTS











アドビシステムズが日本語版Adobe Creative Suite3 Production Premiumを発表
2007.07.26

 Adobe Systemsは7月中旬、映像制作統合ツールとして「Adobe Creative Suite 3 Production Premium」を発表した。デジタル映像を支えるツールとして、欠かすことのできないこれらのツールの最新情報を紹介する。SIGGRAPHでは、ブースを持たないが、クリエイターにとって重要なツールであることから、今回Adobe Creative Suite 3 Production Premiumに関連する情報として、米国本社訪問、ユーザー・プロダクションの訪問などのレポートをお送りする予定だ。
 まずは、事前情報として、日本で紹介されている日本語版について紹介する。

■CS3のツール構成

Adobe On Location Creative Suite3のインタフェース

 映像制作統合ツールAdobe Creative Suite 3 Production Premium日本語版は、次の 本のソフトから構成されている。
 ・Adobe After Effects CS3 Professional
 ・Adobe Premiere Pro CS3
 ・Adobe Flash CS3 Professional
 ・Adobe Photoshop CS3 Extended
 ・Adobe Illustrator CS3
 ・Adobe SOUNDBOOTH CS3
 ・ADOBE ENCORE CS3
 ・ADOBE ONLOCATION CS3
 ・ADOBE ULTRA CS3

 これらはいずれも、デジタル映像制作やデザインの現場で使われる必須ツールであり、クリエイターにはおなじみのツールばかりだ。オールインワンパッケージにすることによって、DYNAMIC LINKという機能を用いて、中間レンダリングをせずに、ソフト間でのファイルの共有が可能になった点が大きな特徴となっている。

■映像制作のワークフローをすべてカバー
 Adobe Creative Suite 3 Production Premiumパッケージの大きな特徴は、ビデオの取り込みから配信までの全ワークフローをカバーしたことにある。それぞれのワークフローで用いるツールと、その特徴を紹介する。

1)撮影素材のキャプチャリング:Adobe Onlocation CS3
DVカメラ、HDVカメラからFirewireを介してHDDに自動録画するのがAdobe Onlocation CS3(DV Rackを改名)だ。取り込みの際にはベクタースコープやウェーブフォームなどの測定値を表示しながらモニタリングできる。Windows/Macintosh両パッケージに同梱されるが、対応プラットフォームはWindowsのみ。

2)編集:Adobe Premiere Pro CS3
編集には、Adobe Premiere Pro CS3が用いられる。主な新機能は、タイムリマップ機能の搭載、AfterEffectのみに搭載されていたタイムワープ機能を搭載した点にある。またこのほか、プロジェクトウィンドウの改善、エフェクトやキーフレーム情報を保持したままの別クリップ置き換え可能、H.264コーデックの搭載など。

3)合成・エフェクト:Adobe After Effects CS3、Adobe Ultra CS3
合成、エフェクトツールとして定番ともいえるのが、Adobe After Effects CS3。新機能も豊富に追加されている。以下に主なものをリストアップする。

・シェイプドローが可能なシェイプレイヤー機能
・アニメキャラクターに向けたパペットツール
・1文字ごとのアニメーションが可能となった3Dテキストアニメーション
・バリエーションから効果を選べるブレインストーミング
・PDFのやりとりによりビデオ確認作業を行うAdobe Clip Notes
・アダプティドモーションブラー追加によるモーションブラーの強化
・マルチプロセッサやマルチコアへの最適化
・カラーマネジメントの強化
・フイルム書き出し用の出力シミュレーション
・Photoshopのバニッシングポイントサポートやビデオレイヤーのサポート

また、前バージョンまでは、プロフェッショナル版/スタンダード版と分けられていたが、Adobe After Effects CS3 Professionalへの統一化がはかられている。
Adobe Ultra CS3は、DVやHDVなど、キーイングが困難な素材にも対応したキーイングソフトウェア。たとえばブルーバックなどで撮影することで背景部分を抜き取り、他の映像を合成するための技術として使われる。同梱のバーチャルセットライブラリと組み合わせてバーチャルスタジオ映像制作が可能だ。Adobe Ultra CS3のプラットフォームはWindowsのみで、Windows版パッケージにのみ同梱される。

4)サウンド:Adobe Soundbooth CS3
オーディオ編集・制作を行うAdobe Soundbooth CS3は、オーディオに関する特別な知識がなくても扱えるようにデザインされている。特徴は、Photoshopに似たインタフェースで視覚的な編集が可能な点にある。不要なノイズの自動判別や除去が簡単にでき、オーディオエフェクトなども豊富に用意されている。また、ネット上に用意されたリソースセンターから、自由に楽譜データを購入し、加工を加えて好みの音楽にしていくことができる。

5)書き出し・配信:Premiere Pro CS3、Encore CS3
編集で用いたPremiere Pro CS3には、新メディア・エンコーダーが搭載されている。これによりBlu?ray向けにH.264を書き出したり、モバイル3GPP用にH.264を書き出しをすることができる。また、Premiere Pro CS3からAdobe Encore CS3へ直接書き出しが行える。Encore CS3では、DVDだけでなく、Blu?rayや、SWF(Flash)&FLV(Flashビデオ)への書き出しをサポートしている。

Windows/Macintosh(インテルプロセッサ搭載)の両方に対応する。通常版価格は261,000円。ほか既存の単体製品ユーザーに対しての特別提供版価格やアップグレード、アカデミック価格、製品単体価格なども用意されている(www.adobe.com/jp)。

▲ページトップに戻る