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Graphics Hardwareが開催
2007.08.07

●過去最高の参加者、ハードウェア論文の主役の座に
 SIGGRAPH 2007に併催されているグラフィックス・ハードウェアの専門学会が8月4日(土)より始まった。 2日間のこの学会には、185名が事前登録し、過去最高の参加者数が見込まれている。 SIGGRAPHでのハードウェア関連論文発表がほとんど見られなくなったいま、SIGGRAPHとEUROGRAPHICSが共同で開催するグラフィックス・ハードウェアがその地位を代わろうとしている。 対象分野は、GPU(グラフィックス・プロセッサ)に限らず、ハードウェア化と関連のあるアルゴリズムも議論される。 なお、この学会は米国と欧州で回り持ちで開催されており、今年は米国が開催地となった。

●Direct Xの開発者、超並列処理の用途拡大を提案
 初日の基調講演は、米Microsoft社のソフトウェア・アーキテクトであるChasBoyd(チャス・ボイド)氏が行い「超並列演算を用いた巨大市場用アプリケーション」との題で話が進められた。当初は「データ並列演算を用いた一般市場用アプリケーション」とのタイトルであったが、講演当日になって変更したという。同紙は「巨大市場用とは一般市場用のことである」として、汎用市場こそ大きい、との基本認識であることを最初に示した。そして、この市場に受け入れられるものは、プログラミングが簡単で、互換性を有し、長期間使用されるものである、との考えが示された。同氏はMcrosoft社でCG用ミドルウェアDirect Xを担当しており、DirectXにもこの考え方は反映されていると見られる。同氏はゲームの他、ビデオ編集や画像処理にも超並列は有効であるとし、一つの可能性として「画像認識」を挙げた。
 基調講演では、GPUの応用範囲はゲームという「ニッチな」市場ではなく、一般市場という「広大な世界」があるとの考えが示され、GPGPU(GPUの汎用利用)研究者を大いに鼓舞する内容となった。同時にこれは、GPUがゲーム市場だけを指向していては今後の伸びが望めない、という問題意識の現れであった模様だ。

●テクスチャマッピングデータの圧縮がテーマに
 午後のセッションは、「圧縮」がテーマであったが、すべての発表者がスウェーデンから、という珍しい組合せとなった。このセッションで対象とする圧縮とは、GPUでMPEG等の圧縮を行うという意味ではない。テクスチャーマッピング等のデータをいかに圧縮するか、という問題である。昨今、メモリの価格が相対的に向上しており、外部記憶の量を削減することは、コスト削減に大きく効いてくる。また、携帯電話やPDAなどのグラフィックスでは、記憶装置との間の信号交換の削減が消費電力の削減にも効果があることから、多少論理回路の規模が大きくなっても、記憶容量の削減を進める方向にある。今回の研究発表には、スウェーデンのEricsson Research社が関係していることは、携帯電話への応用が真剣に検討されていることが見えてくる。
 この流れは、PC用のGPUにも進むと見られ、小容量のメモリで効果的な映像を得る方法の研究が進んでいることがうかがえる。
 グラフィックス・ハードウェアは、8月5日も開催され、アーキテクチャとアルゴリズムに関して発表が続く。

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