SEMINOR セミナー

[WORKSHOP] 平成25年度 文化庁メディア芸術人材育成支援事業

3DCGアニメーター育成に関する「教育者向けワークショップ」
―キャラクターの分析・演技・手描きアニメ表現の教育法―

世界のアニメーション制作では、3DCGを活用することが主流となっています。日本でもその傾向は強まり、3DCGキャラクターに魅力ある演技をさせることができる、3DCGアニメーターが求められています。

3DCGキャラクターに命を吹き込むには、アニメーター自身が演技者になってキャラクター表現を考えられなければなりません。そのためには演技の学習が欠かせませんが、日本では殆ど行われていないのが現状です。また、日本の手描きアニメは、特色ある表現として世界で評価を得ています。しかし、3DCGアニメーション教育では手描きアニメ表現の指導は殆ど取り入れられていません。

これからの3DCGアニメーターは、魅力ある演技をキャラクターに施し、手描きアニメ表現などの日本アニメの動きの特色も活かすことができる人材に、育成することが望まれます。 こうした人材育成に必要な教育内容や指導方法を調査研究し、教材の試作開発を行い、それを使った「教育者向けのワークショップ」を実施します。

次世代を担う3DCGアニメーターの育成を担当される教育機関や企業の教育者の皆さまのご参加をお待ちしております。

プログラムと説明

  12月24日(火) 12月25日(水)
1時限 オリエンテーション
・演技力とアニメーション表現について
・キャラクターの分析について
・ウォーミングアップエクササイズ
キャラクター [パントマイム演習]
・キャラクター性と歩き方の違い
・特徴的な動きとキャラクター
2時限 身体表現基礎 [パントマイム演習]
・コーディネーション
・身体各所の役割と動かし方
・グループワーク(登場場面の演出)
ステイタス [パントマイム演習]
・ステイタスの違いによる振る舞い方の違い
・ステイタスを利用した演出
3時限 基本動作 [パントマイム演習]
・パントマイム表現の手順
・腕を使った表現、全身を使った表現
・重力、力強さ、自信の見せ方
・グループワーク(パントマイムを使った場面作り)
3DCGキャラクターアニメーション [CG演習]
・パントマイム演習や手描きアニメの動きの表現講義で得られた知識やスキルの3DCGキャラクターへの応用
4時限 制作現場でのパントマイム演習活用/手描きアニメ表現 [講義]
・演技教育の重要性について
・手描きアニメの動きの表現について
まとめ
・身体運動と創造性について、など
・意見交換、質疑応答

 

自分自身で演技をして、それをビデオに撮って3DCGキャラクターに演技付け(アニメーションを施す)することは、欧米ではあたりまえのように教育や実務で行われています。そこで、教育者の方に演技を身近に感じていただき、授業で実践していただけるように、このワークショップで体験いただきます。
演技の指導は、演劇やパントマイムなどのさまざまな方法がありますが、今回はそうしたなかから、重力があるように見せることや発話による表現を伴わずに演技をつける3DCGアニメーションと類似性のある「パントマイム」の指導を取り上げます。

パントマイムを使った学習は、プロダクションでも活用され3DCGアニメーターの表現力向上に役立てられています。こうした事例もご紹介します。

また、近年モーションキャプチャーを利用して、3DCGキャラクターに演技を施し、手描きアニメ風に仕上げるアニメーション作品が増加しています。こうした新しいアニメーション作りの動きの基礎教育の方法について、現場のアニメーターなどに協力いただき実施する調査実験の結果も紹介する予定です。

本ワークショップでは、2日間で、キャラクターを分析して「性格」や「感情」を表現する「動き」はどういうものかを考え、実際に身体を動かし試して、それをコンピュータの中の3DCGキャラクターにアニメーションとして施す、といった一連の行為を実体験してもらいます。


講師

○全日
荒木シゲル 氏
マイムアーチスト、コムトレーニング講師
1988年にイギリスに渡る。美術大学を卒業後、マイムアーチスト、デズモンド・ジョーンズのもとでパントマイム、フィジカルシアターアクティングを習得。その後、英国を中心にヨーロッパのシアター、ギャラリー等でパフォーマンス活動を行う。公演の評がイギリスの全国紙に紹介されたり、故マーガレット王女に招かれてパントマイムを披露するなど活躍。1998年に帰国した後、キャラクター作りのスペシャリストとして、セガやマイクロソフトでゲーム制作に関わる。また、CGクリエイターを対象としたパントマイムワークショップをセガ、ソニー、ナムコ、マイクロソフト、白組、アニマを始めとするゲーム会社や映像制作会社で、東京ゲームショーやシーグラフアジア2009などのイベントで多数開催。2006年にアクトバート合同会社を設立。近年はコーディネーショントレーニング(COT)のトレーナーとして、幅広い職種のビジネスパーソンを対象にコミュニケーション能力の向上を目的としたワークショップを行っている。
著書に「荒木シゲルのアニメーションサイエンス」(DVD)、「動くキャラクター作りの本」など。
アクトバート合同会社 代表、デジタルハリウッド大学大学院 客員教授、日本コーディネーショントレーニング協会 ブロンズライセンス、CG-ARTS協会 協会委員。

○24日4時限「制作現場でのパントマイム演習活用」
笹原和也 氏
アニメーション監督、CGディレクター、CGデザイナー
武蔵野美術大学出身。金子満氏の授業をきっかけに3DCGを始める。1995年にソニー・ミュージックエンタテインメント主催デジタル・エンタテインメント・プログラムでベストアワード受賞。1997年に(有)笹原組を設立(2002年4月に(株)アニマに名称変更)。教育機関の講師や書籍出版など教育活動にも力を注ぎ、CG-ARTS協会発行「ディジタル映像表現」の著者の一人でもある。LightWave 3Dを制作に使い、同ソフトの日本での知名度向上に影響を与えた。2010年12月にアニマの取締役を退任し、映像制作会社の株式会社イルカ(ILCA)に移籍。
2011年には、CGやVFXの分野でのめざましい成果に与えられる全米視覚効果協会主催の第9回VESアワードのショートアニメーション部門に、監督した作品「CAT SHIT ONE−THE ANIMATED SERIES−」がノミネートされる。

○24日4時限「制作現場でのパントマイム演習活用」
金久保哲也 氏
株式会社バンダイナムコスタジオ ET開発本部アニメーション部モーション課 シニアテクニカルアニメーター
1991年株式会社ナムコ(現・(株)バンダイナムコゲームス)入社。CG映像製作、大型業務用タイトル、家庭用タイトルの開発にアニメーターとして携わる。タイトル開発の合間に社内クリエイター向けのワークショップを企画するなど社員トレーニングに係る。2012年より(株)バンダイナムコスタジオ所属。モーションキャプチャースタジオの運営、アニメーション制作技術の開発支援に従事。CG-ARTS協会委員。


日程・会場・申込みなど

主 催 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)
支 援 文化庁
後 援 NPO法人映像産業振興機構(VIPO)
一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj)
一般社団法人日本動画協会(AJA)
一般社団法人VFX-JAPAN
対 象 3DCGを利用したアニメーション、ゲーム、映画などのコンテンツ制作の指導に係る、
大学、専門学校、高等学校、企業の教育指導者
参加条件 2日間出席可能な方
定 員 約20名
申込締切 申込終了
参 加 費 無料
日 時 2013年12月24日(火)〜25日(水) 各日10:00〜17:30
会 場 学校法人・専門学校HAL東京 総合校舎コクーンタワー(東京都新宿区西新宿1-7-3 Tel. 03-3344-1010)
 
※このワークショップは、平成25年度文化庁メディア芸術人材育成支援事業として実施いたします。
 なお、都合によりプログラム等の一部に変更がある場合があります。


 

お問い合わせ

CG-ARTS協会
〒104-0061東京都中央区銀座1-8-16
tel 03-3535-3501 fax 03-3562-4840 
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