SEMINOR セミナー

[Workshop]  平成24年度文化庁メディア芸術人材育成支援事業
3DCGアニメーション・ゲームコンテンツ制作の基盤教育 「教育者向けワークショップ」
ーシナリオライティング・キャラクターメイキング・ミザンセーヌレンダリング・基礎造形の教育方法ー


3DCGアニメーションやゲームコンテンツ制作の教育を行なう教育機関は増加し、芸術系、情報系、理工系の大学や専門学校と多様で、所属される教育者の専門性を活かしたカリキュラム作りや人材育成が行なわれています。 しかし、シナリオ作成、キャラクター開発、ミザンセーヌ構成、基礎造形といった基盤教育の普及は残念ながら進展していません。原因は、その多くの部分が暗黙知や経験知として扱われ、論理的で体系的な教育が行えないと認識されてきたからです。 しかし近年では、こうした領域についても研究が進み、分析が行われ、共通ルールが明らかとなることで、科学的見地による効果的な教育方法が考案されるようになってきました。

そこで、この新しい基盤教育を、クリエイターやエンジニアを目指す学生の、指導の初期段階に導入していただき、能力向上に役立てていただけるように、「教育者向けワークショップ」を文化庁の支援を受けて実施することになりました。 3DCGアニメーションやゲームコンテンツ制作は、芸術、情報、理工などの多方面からの教育アプローチが必要なメディア芸術です。さまざまな専門分野の教育者の方々に、この新しい基盤教育をご理解いただき、活用いただくことを願っています。

プログラムと説明


4日間16コマのプログラムで、シナリオライティング、キャラクターメイキング、基礎造形、ミザンセーヌレンダリングの教育方法を順を追って、講義と演習の組み合わせで習得していただきます。

  8月21日(火) 8月22日(水) 8月23日(木) 8月24日(金)

1時限

クリエイティブ技術
  • 基盤教育の重要性
  • 分析と問題抽出
  • 創作と評価手法の提示
キャラクターメイキング1
  • キャラクターのコンテンツにおける機能
  • 俳優とキャラクターデザイナー、アニメーターの共通性
基礎造形2
  • 境界線の表現
  • 形体の表現
ミザンセーヌレンダリング1
  • ミザンセーヌのコンテンツにおける機能
  • ミザンセーヌの失敗例と成功例による効果の確認

2時限

シナリオライティング1
  • シナリオの機能と構造
  • 筋書き(プロット)の段階的構成
キャラクターメイキング2
  • キャラクターの構造的開発
  • データベースとペイントソフトウエアの利用による効率化
基礎造形3
  • 調子の表現
    (モノクロ)
ミザンセーヌレンダリング2
  • デジタル時代のミザンセーヌ構成
  • ミザンセーヌの共通コンセプトと専門表現

3時限

シナリオライティング2
  • 描写(レンダリング)の機能と構造化
  • フェイズ構造によるリズムの付加
キャラクターメイキング3
  • スケッチによる自分化
  • 構造分析による評価と修正
基礎造形4
  • 色彩の表現
    (カラー)
ミザンセーヌレンダリング3
  • コンテンツの価値向上のための諸作業
  • 構造分析による評価と修正

4時限

シナリオライティング3
  • リマインダー付加による満足度の強化
  • 構造分析による評価と修正
基礎造形1
  • 基礎造形指導に必要な知識
基礎造形5
  • 空間と立体表現
  • 講評と総括
ワークショップのまとめ
  • 授業計画の作成
  • 質疑応答
  • ディスカッション


○シナリオライティング
シナリオの機能と構造の理解、筋書き(プロット)の段階的構成、描写(レンダリング)の機能と構造化、フェイズ構造によるリズムの付加、リマインダー付加による満足度の強化、構造分析による評価と修正。これらの知識の習得、実践、理解により、シナリオ作成を行えるようにする教育です。

○キャラクターメイキング
キャラクターのコンテンツにおける機能、俳優とキャラクターデザイナーやアニメーターとの共通性、キャラクターの構造的開発、データベースとペイントソフトの利用による効率化、スケッチによる自分化、構造分析による評価と修正。これらの知識の習得、実践、理解により、キャラクター開発を行えるようにする教育です。

○基礎造形
観察の方法や捉え方、境界線表現、形体表現、調子表現、色彩表現、空間と立体表現と基礎的な構成概念。これらの知識の習得、実践、理解により、実感する能力を鍛え、捉え方(観念)を形成し表現することができる、創造のための基礎力をつける教育です。

○ミザンセーヌレンダリング
ミザンセーヌのコンテンツにおける機能、ミザンセーヌの失敗例と成功例による効果の確認、デジタル時代のミザンセーヌ構成、ミザンセーヌの共通コンセプトと専門表現、コンテンツの価値向上のための諸作業、構造分析による評価と修正。これらの知識の習得、実践、理解により、効果的かつ効率的なミザンセーヌ構成を行えるようにする教育です。
(ミザンセーヌとは、フランス語で「シーンにのせる」という意味。映像制作におけるミザンセーヌとは、シーン構成を行うための様々な作業のことで、英語ではディレクション、プロダクションデザイン、各種のスーパーバイザーが分担する作業のことです。)


講師


○クリエイティブ技術/ミザンセーヌレンダリング
金子 満 氏

東京工科大学メディア学部 客員教授・中国徳稲マスターズアカデミー 教授
フジテレビの制作部、映画部を経て、アメリカMGMスタジオで「ドクトルジバゴ」のデイヴィッド・リーン、「拳銃無宿」のヴィンセント・フェネリー組に配属。帰国後、CGスタジオJCGLを創立、アメリカでメトロライトスタジオを創立、「トータルリコール」の特殊効果(アカデミー特別視覚効果賞)やコンピュータアニメ制作システムの開発などを行う。その後、慶應義塾大学SFC教授を経て、現在に至る。著書に「映像コンテンツの作り方」、「シナリオライティングの黄金則」等。学術博士(東京工業大学)。デジタルコンテンツ協会 評議員。映像産業振興機構 理事、CG-ARTS協会 理事。

 

○シナリオライティング
沼田やすひろ 氏

シナリオライター・シナリオアナリスト
玩具と出版のデザイン会社の編集者を経てシナリオライターへ。「SDガンダムフォース」他多数のシナリオ作成、ゲーム企画プロジェクトプランナーを経て、映像産業振興機構認定シナリオアナリスト。複数の専門学校およびシナリオスクールで論理的な段階作成手法によるシナリオ作成を教える。著書に「おもしろい映画とつまらない映画の見分け方」、「売れるストーリーとキャラクターの作り方」等。


 

○キャラクターメイキング
近藤邦雄 氏

東京工科大学メディア学部 教授
名古屋大学、東京工芸大学、埼玉大学工学部情報システム工学科を経て、現職。芸術科学会会長、情報処理学会グラフィクスとCAD研究会主査、画像電子学会副会長、ヴィジュアルコンピューティング研究委員会委員長などを歴任。専門はコンピュータグラフィックス、インタラクティブモデリング、感性情報処理など。東京工科大学クリエイティブラボではデジタルコンテンツ制作手法の研究に従事、映像産業振興機構のキャラクターアナリスト育成セミナーの講師を務める。工学博士(東京大学)。CG-ARTS協会評議員。

 

○基礎造形
中村泰清 氏

デジタルハリウッド大学 准教授・東京工業大学世界文明センター 非常勤講師
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、第16回日本国際美術展/TOKYO BIENNALEで東京都美術館、京都市美術館にて作品展示。米国遊学、帰国後、デザイン会社での経験の後、株式会社KubotaC-Cubeの MacWorldExpoブース環境デザインを担当。現在は、美術作家活動をしながら、独自のメソッドでクリエイターに必要な基礎造形力を教授している。専門学校講師、美術予備校デザイン科主任講師などを歴任。芸術学士(東京藝術大学)

 

日程・会場・参加費など


主   催 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)
支   援 文化庁
協   力 NPO法人映像産業振興機構(VIPO)
後   援 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)
一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj)
一般社団法人日本動画協会(AJA)
一般社団法人VFX-JAPAN
日 時 2012年8月21日(火)〜24日(金)の4日間 各日10:00〜17:30
会 場 宝塚大学 東京新宿キャンパス 6階 601教室(所在地:東京都新宿区西新宿7-11-1  電話:03-3367-3411)
対 象 大学、専門学校などの教育指導者
参加条件 全日(4日間)出席可能な方
申込締切 定員になりしだい
参加費 無料
※このワークショップは、平成24年度文化庁メディア芸術人材育成支援事業として実施いたします。都合によりプログラム等の一部に変更がある場合があります。

お申込みに関する質問は、下記までお願いします。
お問い合わせ

CG-ARTS協会
〒104-0061東京都中央区銀座1-8-16
tel 03-3535-3501 fax 03-3562-4840 
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