SEMINOR セミナー

[SEMINAR]最新CG映像&3Dソフトセミナー 東京にて開催

BACK

2007夏期CG-ARTS教育セミナー

CG業界の人材育成に尽力いただいている教育関係者向けに、最新CGの動向情報として、世界最高峰のCGの学会であるSIGGRAPH2007(8月5日〜9日開催)のレポートと、9社のソフトウェアメーカによる最新3DCGソフト等の紹介を行ないました。8月22日にアップルストア銀座にて開催し、61名の方々にご参加いただきました。

SIGGRAPH2007レポートは、エレクトロニックシアター受賞作品上映・解説を中心に、もっとも早い報告会となりました。ソフトウェアメーカのセミナーは、普段メーカの担当者と直接会話する機会が少ない3DCGソフト等に関して、教育関係者向けに説明を行っていただき、直接対話できる展示コーナーも併設して好評を博しました。

開催地区・日程・会場

【東京】 8月22日(水)アップルストア銀座3Fシアター

プログラム
10:30 主催者挨拶
10:50 「SIGGRAPH2007エレクトロニックシアター&世界のCG映像レビュー」
講師:大口 孝之氏 映像クリエイター/ジャーナリスト
12:30〜13:30 昼休憩
13:30 「3DCGソフトの紹介」
アップルコンピュータ株式会社、株式会社イーフロンティア、オートデスク株式会社、
株式会社エヌジーシー ディ・ストーム ディビジョン、加賀電子株式会社、株式会社ソフトウェア・トゥー、
株式会社ボーンデジタル、有限会社マーズ、マクソンコンピュータ
17:30 終了
『SIGGRAPH2007エレクトロニックシアター&世界のCG映像レビュー』

はじめにCG-ARTS協会より、協会とSIGGRAPHとの協力関係の経緯や協定の締結などについてご説明した。

その後大口氏に、SIGGRAPH2007について、エレクトロニックシアター受賞作品を中心にご紹介頂いた。講演は、最優秀作品賞の「Ark」(ポーランド)や、審査員特別賞の「Dream maker」(ドイツ)など、代表的な作品をいくつか上映しつつ、大口氏の解説が随所に挟まれる形式で行われた。以下は、大口氏の講演内容の概要である。

研究者、教育者、企業人、クリエイターなど、多種多様なバックボーンの人々が集まり、論文発表(Papers)、セミナー(Courses)、機器展示会(Exhibition)、ファインアートの展覧会(Art Gallery)、新作映像の上映会(Computer Animation Festival)など、様々なイベントが同時開催されることが、他に類のないSIGGRAPHならではの特徴となっている。

今年のコンピュータアニメーションフェスティバルの応募総数は905作品で、特に優れた34作品がエレクトロニックシアターで上映され、95作品がアニメーションシアターで上映された。


今回の特出すべき点としては、学生作品が多数上映されるようになったこと、ゲーム本編の映像が上映されるようになったこと(これまではゲームのオープニング映像の上映が多かった)などがあげられる。コンスタントに優れた作品が上映されている学校には、シュパンフォコム(フランス)、フィルムアカデミー・バーデン=ヴュルテンベルク(ドイツ)、ゴブラン映像高等教育学校(フランス)、リングリング・スクール(アメリカ)などがある。

エレクトロニックシアターで上映された日本からの作品は「The Recent Future Robot: HELPER Z」(デジタルハリウッドの学生作品)、「Formation of a Spiral Galaxy」(国立天文台)の2本だった。また、アニメーションシアターでは、文化庁メディア芸術祭の受賞作品が「JMAF」という特別枠の中で上映された。

論文発表では、レンダリング技術はほぼ完成の域に達し、これまで開発されてきた手法でGPUなどを使ってリアルタイム化する傾向が顕著になっている。また、今回採択された論文の約1/3を画像処理系のものが占めており、うち19本がコンピューティショナル・フォトグラフィ(計算写真学)に関するものだった。これらの研究内容は、今後実用化され、アプリケーションソフトに組み込まれていくだろうと予想される。

機器展示会では、モーションキャプチャに関する新技術が目を引いた。屋外でもキャプチャ可能なもの、マーカを必要としないもの、布や衣服をキャプチャするもの、などが発表された。

『3DCGソフトの紹介』

以下の各社より、最新の3DCGソフト等の特徴や新機能、教育機関向けサービス等に関して、ご紹介いただきました。

株式会社エヌジーシー ディ・ストーム ディビジョン
「LIGHTWAVE 3D」(統合ソフト)

オートデスク株式会社
「Maya」(統合ソフト)

株式会社ボーンデジタル 
「Render Man」(レンダリング専用ソフト)
「ZBrush」(モデリング専用ソフト)

株式会社ソフトウェア・トゥー
「STRATA 3D CX」(統合ソフト)

有限会社マーズ
「modo 202」(モデリング・ペイント・レンダリング専用ソフト)

加賀電子株式会社
「raybox」(レンダリング専用ソフト)
「renderserver」(レンダリング用サーバ)
「Maxwell Render」(ライティングシミュレーション専用ソフト)
「REALFLOW」(流体シミュレーション専用ソフト)

株式会社イーフロンティア
「Vue」(景観作成専用ソフト)
「Poser」(人体作成専用ソフト)

マクソンコンピュータ
「Cinema 4D」(統合ソフト)

アップルコンピュータ株式会社
「MacPro」(ワークステーション)
「Final Cut Studio」(映像編集ソフト)

(発表順)

講師プロフィール

大口 孝之氏
映像クリエイター/ジャーナリスト

オプチカル合成技師を経て、1982年日本初のCGプロダクションJCGLに入社。1988年富士通入社。花博・富士通パビリオン「ユニバース2-太陽の響-」(AVA博展映像部門グランプリ受賞) のヘッドデザイナーを務める。
1992年よりフリー。博物館・水族館の展示、テレビ科学番組などの企画・構成・演出を行う。代表作にNHKスペシャル「生命・40億はるかな旅」(エミー賞受賞)など。専門誌や新聞等のレポート・評論を多数執筆。 女子美術大学、明星大学非常勤講師。