技術革新のおかげで様々なものが便利になる一方で、安価なものが増えたことで、モノを捨てるためらいがなくなったのが20世紀だとすると、それを解決するために「エコ」が用いられたのが21世紀でしょう。本作の強度を1番支えているのは、LEDライトの持つ矛盾(ハードを取り替えるために、寿命以前に捨てられる)に着目した点だと思います。日常的なモチーフを用いて、その矛盾から現在の状況を照らしだす手法は、文脈を越えて、多くの人に問題提起が可能です。その点やや疑問が残ったのは、原発の問題とどうリンクして考えられるのか、という点です。そのあたりが映像の中から感じられることができれば、なお強度のある作品として楽しめるのだろうと思いました。
(武田俊)

間宮 尊
多摩美術大学
インスタレーション