トルボルト

ほとんどのゲームにはゲームオーバー(死)とクリア(問題の解決、達成)という2つの極点があって、その2つの間をいかに迂遠させるか(死にすぎず、かつ、簡単に問題を解決できない)というのがゲームをデザインすることなんだろうと思う。いわゆる落ち物パズルゲームでは、重力に従って落下してくるオブジェクトをいかにコントロールして自身の死を回避し、自らの問題解決のために利用するかがデザインの骨組になる。このゲーム作品では、ときに実際の解体現場がそうであるように、ブロックに刺さったボルトを抜き、ブロックを天上から取り除き、落下させることが自身の死の可能性と、次の操作の為の足場の可能性を同時に持っていて、その2つの可能性の重なりがこの作品の楽しさや奥深さに繋がっているのだと思う。
(谷口暁彦)

池 亮秀(作者/代表者)、上地 冬馬 / 上中 千布実 / 新家 綾香 / 新垣 徹也 / 橋本 建太 / 西川 尚徳 / 武藤 陽平 / 山崎 詩織 / 浅田 一樹(共同制作者)
HAL大阪
ゲーム