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2017/05/18更新

 

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ー 結果をみる中で特に気になるポイントなどありましたらお願いします

 

藤代:やっぱり、授業で扱っていないパートは正答率が低いですよね。問1の知的財産権の問題とかね。さすがに半期の講義ではそこまで十分にはカバーしきれないんですよね。あと、問5のレンダリングについては授業でとりあげる前に検定試験だったから、やっぱり正答率が低かったですね。

森島:うちは、先に話したキーワードを調べさせる課題を出したあとだったから良かったのかもなぁ。

 

藤代:早稲田さんは問6bで苦戦してますね。

森島:うーん、なんでだろう。貫通している場合は三すくみと同様で優先順位を一意に決められないからな。注意力不足ですね。

 

藤代:問7は両校ともよくできていますね。これはCGっていうより、数学の問題だからね。

森島:講義の中で一番力をいれるところですからね。できててよかったです。

 

藤代:8番(4)のニアレストネイバーの問題は、両校とも正答率が低いですね。ピクセルのパターンがはっきり出てるからそれが分かれば解けるんですけどね。こういう問題は、式を計算すれば解けるわけじゃなくて、計算の結果画像から選択しなきゃいけないから難易度が少し上がるんですね。

森島:そうですね。こういう問題はいい問題じゃないんですか?合否を分ける分別能力が高い問題といえますよね。

 

藤代:問10(3)のプログラミング言語の問題も両校ともできていませんね。

森島:うちは先にもいいましたが、応用物理学科なんでプログラミングの授業が3年の後期になってもまったくないんですよ。CもJAVAも知らないんです。4年になって研究室に入ってから勉強するんですよね。

藤代:PythonはAutodeskのMayaにスクリプト言語として採用されていたりしているので、セミナーとかインターンとか実際のプロダクションの現場に触れる機会を増していくことで自然とこうした知識が身につくといいなと思いますね。言い訳じゃないですけど、実は、次のカリキュラム大改定で学生が初めて学ぶプログラミング言語をPythonにするんですよ。汎用性が高いのでどんなスタイルでも書けるし、パラダイムを教えるのに役に立つんですよね。今、教材をpythonに書き換え中なんですよ。

 

ー 全体を通してまとめをお願いします

藤代:結果の分析データは本当に面白いですね。どこができていて、どこができていなかったか数値でみえる。各担当の先生にこうした結果を返してあげると本当によいサービスになるとおもいますよ。どこの学校もだと思いますが、フィードバックをすごく重視していて、今年の学生には役に立たないかもしれないけれど、来年以降の学生には改良点を考えた上で、より質の高い授業が提供できるので。大変でしょうけどね。ぜひお願いしたいです。

森島:この教科書を使っている講義はもっといっぱいあるだろうし、この早慶戦をきっかけに色々な大学が参戦してきて、各校の傾向のあらわれた統計データも出せたりすると面白いんじゃないかと思います。次は東京六大学くらいでやりたいですよね。そのためにももう少しお手軽感というか、受験料を少し下げてもらえるといいのでしょうけど(笑)。

ー 学生へのメッセージをお願いいたします。

藤代:「負けるな、お前ら!」ですよ。

森島:競争をあおることは重要だと思うんですよね。日本は競争を悪とするところもあるじゃないですか。でも、競争はあらゆるエネルギーの原点だし、闘争心が重要ですよね。だから「戦え、そして勝て」ってことですね。

藤代:こうした成績がCGを勉強したいっていう高校生にも届いて、「どこで学ぶべきか?」という学校を選ぶときの判断材料になると面白いですよね。

森島:そうですね。重ね重ねになりますが、うちは「応用物理学科」なんで、CGを目指して入ってしまうと、1・2年の物理ざんまいの授業で落第しちゃうんですよね。そこが難しいところなんです。

藤代:でも、数理的バックグラウンドをしっかりもったうえで、CGの世界に飛び込んでもらえると本当にいいですよね。森島研究室から質の高い論文がでるのもそうした背景があるからなのでしょうね。

森島:学生の皆さんに勘違いして欲しくないのは、藤代研も森島研も、CGクリエイターではなくて、CGエンジニアの研究室なので、CGの作品だけつくっていればいいわけじゃないんですよね。毎日、数学とかプログラミングとか、ひたすらハードコアなことやって、研究して、論文を書いてという毎日なんで、ビジュアルの華やかな面だけ見て、フワフワと入ってくると危険なんですよね。そういう意味で、この早慶戦がCGエンジニアの分野を事前に知るきっかけになるといいですよね。

 

こうして、2016年の早稲田と慶應のCGエンジニア検定を舞台にした戦いは終わった。時はすでに2017年。今年も両校の熱き戦いは続くであろう。熱き挑戦者の登場を心待ちにしている。

ー ありがとうございました

*通常は、平均正答率や各設問の正答率を公開しておりませんが、今回は両教授の承諾を得て掲載いたしました。こうした受験結果に関する情報の提供については、団体受験校への支援の一環として、今後検討を重ねてまいりたいと考えております。

インタビュー:CG-ARTS 篠原たかこ テキスト・写真:CG-ARTS 小澤賢侍

 

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インタビュー:CG-ARTS 篠原たかこ
テキスト・写真:CG-ARTS 小澤賢侍