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2002年に電気通信大学を卒業。南カリフォルニア大学へ2年間留学し、修士課程修了。帰国後、株式会社スクウェア・エニックスに就職し、ビジュアルエンジニアとしてゲームムービーにおける映像技術の開発などに携わる。
現在は、再び研究の世界へ戻り、CGの技術研究に日々没頭している。

物理法則に基づいた動きを再現することで、よりリアルな映像をつくり出す
この世の物体の動きはすべて物理法則に基づいています。その物理法則をCGの中に持ち込むことによって、よりリアルな動きを映像の世界で表現する技術を開発するというのが僕の研究課題。物理ベースシミュレーションとよばれている分野です。専門は、液体や気体などの流体で、なかでも映画などの写実的な映像に使われる爆発現象をテーマに研究しています。
映画やゲームの中では、CGによって爆発シーンが数えきれないほどつくられてきました。しかし、従来の制作方法では、クリエイターがシミュレーションの物理的な設定(パラメータ)を調整する必要があるなど、非常に手間がかかるという問題がどうしても避けられませんでした。そこで、より自由かつ効率的に制作をするためにどんな方法があり得るのかを模索しているのです。
この分野の研究は世界中で盛んに進められ、技術は日進月歩。ですから、VFX(視覚効果)の映画が公開されたりすると、毎回、期待と興奮でわくわくするんです。どんな映像が見られるんだろうと。2009年には、『アバター』が公開され話題になりました。楽しみながらもとくに爆発シーンではどんな映像が出てくるのか、少しハラハラしながら鑑賞しました。半分は単純にファンとして、そして半分は研究者の視点から観ているような感じでしょうか。
それはともかく、『アバター』のようなエポックメイキングな映画が登場してくると、CGのさまざまな分野の研究も一気に活性化されます。その意味では、ここ2、3年で技術革新のスピードもより加速することは間違いないでしょう。

粘土の街とゴジラの人形で特撮ごっこを楽しんだ子ども時代
小学校の低学年のときのこと。よく粘土を使って祖母自慢の庭に港や街を再現していました。そこに登場するのはゴジラの人形(笑)。友だちと二人で特撮ごっこをして遊んでいたんです。映像に興味を持った最初のきっかけはゴジラだったと思います。中学に入ってはまったのが映画『スターウォーズ』。『ターミネーター2』のリキッドメタルも良かったですね。そんな風に映画に夢中になる一方で、ゲームにも熱中していました。高校生になると、NINTENDO64の『スーパーマリオ64』とほかのはやりのゲームを比較して「本当に3次元CGなのはマリオだ」なんて言ってたんですよ。
今考えると、映画もゲームもCGによって大きくその映像表現を変革していく時期がちょうど僕の小学校から高校時代に重なるんですね。エンターテイメントにおける映像がとてつもないスピードで進化するのをその時代に体感したことは、とても大きな刺激になりました。

CGの道に進むべくひたすらまい進した大学、留学時代
当然のように、大学もコンピュータを使ってCGが学べるところということで電気通信大学に進みました。入学してみると、僕なんかとはまったくレベルが違う、中学時代からバリバリプログラムをしていたようなすごい同級生がいたんです。難しい課題もものの1時間くらいで終えてしまうような。やっていけるかなと不安にもなりましたけど、結果的にはそういう環境でもまれることで鍛えられたように思います。
CGの道に進むことはずっと考えていました。やはり、一番影響を受けたのはハリウッド映画で、将来はアメリカの映画制作に携わることができればと。そのためにもまずは本場のアメリカに留学しようというのが当面の目標でした。二年生の頃にはそんなことを考えるようになっていたんです。ただ、そのためにクリアしなければならない三つの課題がありました。 一つは英語。これは、近所の英会話スクールに二年間通って学びました。二つ目は大学の勉強。学生だから当たり前だと言われそうですが、留学する際には成績を見られますので「優」を可能な限りたくさんとろうとがんばったわけです。そして最後はCGの制作経験。理論的なことは大学で学んでいましたので、それを生かした実践経験も積んでおきたいと思ったんですね。それで、平行して専門学校に通いまして……。さすがに多くのことをやりすぎたのか(笑)、とても忙しい日々でした。その頃が一番勉強をした時期かもしれません。研究室の指導教官をはじめ、CG関係の各方面で活躍する教授の方々から留学の後押しをしていただくなど非常にお世話になり、また大いに刺激を受けながら充実した学部生活を送ることができました。

到底できないと思えるようなことでもひたすら考え抜けばできる
留学先の南カリフォルニア大学で出された課題は、たとえば「これこれを可能にするシステムを一から構築せよ」というようなもの。文言はシンプルですが、友だちと議論しながら四ヶ月もかかってなんとか提出にこぎ着けたようなものも中にはあったんです。そんな経験から、「できないと思うことでも、ひたすら考え抜けばできる」と思えるようになりました。二年間の留学で得たものとしては、もちろん技術的理論的な知識もありますが、そういう困難な課題に対する取り組み方や考え方、自信のようなものが大きかったように思います。
また、CGの研究室に所属して、プロダクション経験も豊富な特殊視覚効果のプロ、J.P.Lewis氏の指導を仰ぎ、研究の道の奥深さを垣間見ることができたことは、得難い経験となりました。彼の研究に対する真摯な姿勢を思い起こすと、今でも背筋を正されるような気がします。
アメリカで修士課程を終えた後、博士課程にも進みたいとは思っていたんです。ただ、その前にまだ準備しておくべきことがあるかもしれないとも思って少し迷いました。研究課題の設定は、博士課程に進む大前提となることなんですが、現場を知らずに決めてしまっていいものかということが引っかかっていたんです。結局、一度日本に戻って現場を体験した後、可能であればまた研究に戻ってみたいと考えるにいたりました。現場を知るという意味では、実際にCGの技術を駆使して映像をつくる会社に就職するのが一番。ご縁があって、株式会社スクウェア・エニックスにお世話になることになりました。

現場の課題とその可能性を直に把握し、研究にフィードバック
できるだけ現場で使われる技術に直結する研究をしたいというのは、多くの研究者に共通する願いだと思います。もちろん、僕もそう思っています。となると、実際に現場では何が課題となっているのか、そしてどこに技術的な可能性があるのかを知ることは、研究の方向性を定める上で非常に重要。スクウェア・エニックスに在籍したのは一年強だったんですが、その意味でも非常に貴重な経験をさせていただきました。
同社の制作現場でもシミュレーションは、主流となっている手法の一つです。そのシミュレーションの関連業務に幸運にも携わることができ、多くのことを知ることができました。今後の課題や可能性の思索にもつながったこと、なかでも爆発などの大きな力で破壊をおこすというシミュレーションについての構想を進められたことは、本当にすばらしい収穫でした。

CG全般の知識を習得するためにCGエンジニア検定を受検
その後、東京大学の金井崇先生が大学院生の募集をされていることを知り、連絡をして、お世話になることになりました。実は、その大学受験対策も含めての準備として受けたのがCGエンジニア検定だったんです。CGの研究は、専門分野をまたいで追求する必要があるケースも多いのですが、実際には自分の専門領域だけに埋没してしまいがちです。そうならないためにも、CGという広い世界を網羅する各項目を一通り知っておく必要があると思ったんですね。
受験のための勉強をしてみて驚いたのが、テキストの出来の良さ。内容が非常に多岐にわたっているのに、よくまとまっていると思いました。CGのテキストらしく(笑)視覚に訴えかけてくるところがあり、読みたいと思わせてくれるんです。そんな本は、初めてでした。とくに、CGエンジニア検定のテキストはビジュアルも適切に使われていてとても読みやすかったですね。そんなテキストの良さに加え、検定の問題もすばらしく、受験することによってCGの世界を自分の頭の中で網羅しながら整理することができました。
僕の場合は、専門がすでに決まっているなかで、CG一般のことを知るために勉強し、受験したわけですが、人によってはその逆の利用法もあるのではないでしょうか。「CGをやってみたいけど、どんな専門領域があるのかわからない」という若い人は多いと思います。そんな人も検定を受けることによって、自分の志向がどの専門領域に向いているのかがわかってくると思うんです。

まだ誰も見たことがない映像を生み出すために
たとえば、今、映画でCG技術がどのように使われ、発展がなされているかというと、「こういう映像がつくりたい」という監督の要求に応えることで、技術が躍進していくことは大きな要素です。もちろん、それが第一の基盤となり技術は躍進しますが、技術者として僕がさらに目指したいのは、「この技術があるからこんな映像ができる」という映像を生み出す一助となることなんです。それがどんなシミュレーションなのか、あるいはどんな技術と映像で、見た人にどんな印象や新たなビジョンをもたらすのかはまったくの未知の世界。そんな世界を追求していくことは、人間の想像力を拡大することにつながる可能性を大いに秘めていると思っています。今まで、多くの人たちに支えられてがんばってくることができました。これから先、さらに困難なことがあるかもしれませんが、CGの新しい可能性を切り開くべく研究に力を尽くしたいと思っています。





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