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基礎を重視した、社会に出て役に立つ教育を実践 東北電子専門学校 副校長 大苗 敦
CG草創期にCGの学科を開設

仙台駅から歩くことおよそ5分。古都の面影を残した美しい自然と都会的な暮らしが融合する街並みのなかにある、ひときわ近代的な建物。それが、東北電子専門学校である。洗練されたデザインの校舎、ホテルを思わせる高いロビー、そして各社のマシンがずらりと並ぶ広大な演習室がひときわ印象的だ。

そんな恵まれた環境のなか、同校ではビジネス、IT、ゲーム・CG、音楽・音響、デザイン、建築・CADなど実に幅広い分野から総合的な情報教育をおこなっている。とりわけCG関連の教育に力を注いでいるゲーム・CG分野はじめ、音楽・音響、デザイン、ITなどその範囲は多岐にわたる。

同校にはじめてCG関連学科ができたのは、1984年。当時は「コンピュータグラフィックス映画映像技術科」という名称だった。同校の副校長である大苗先生は当時をこう振り返る。

「“映画”が学科名に入っているのは、前理事長が大の映画好きだったからなんです。なんでも、人生に挫折したときに映画を観て生きる喜びを教えられたそうで、大竹しのぶさんが主演した『あゝ野麦峠』では、製作や総指揮も担当しました。そして、コンピュータを教える学校が映画との接点をなんとかつくれないかと考えた結果、新学科の誕生につながったわけです」。
同校に就任する以前、医療機関で検査データを視覚化するプログラムを書いたり、心臓の動きのアニメーション化を担当していた大苗先生は、その腕を買われて新学科のカリキュラムを考えることになる。当時は専門学校でCG教育に取り組んでいるところはほとんどなかったため、カリキュラムのヒントをつかもうとCG先進国のアメリカへ視察に出かけ、企業や大学を巡ったという。


CG-ARTS協会がカリキュラム再編をサポート

「手探り状態で新学科を開設したちょうどそんなときにCG-ARTS協会からCG検定の試行試験のお誘いがありまして、じゃあ受けてみようか、ということになったんです。91年の最初の3級と2級の試験には、生徒と並んで私も受検し、合格しています」。

実際にCG検定を受けるようになって、大苗先生はさまざまな発見をすることになる。

「それまではまったくの手探りで、こちらが教えたいことよりも、学生に合わせて授業を進めてきたところもありました。ところが検定試験の内容をみて『あ、こういうことを教えなければいけないんだな』ということがわかったんです。つまり、CGの基礎をはっきりつかむことができたというわけです。生徒たちにしても、それまでは検定試験なんてありませんでしたから、CGを学ぶうえで具体的な目標ができ、とても助かりました」。

もともとコンピュータの学校なだけに、デザイン的なことを学べるテキストもなければ、それを教える先生もいない。そこで大苗先生は、CG-ARTS協会に教材の提供を受けたり、CGの研究をおこなっている先生を紹介してもらいカリキュラムの相談にのってもらったという。

「1995年のカリキュラムの見直しのとき、CG-ARTS協会さんには大変お世話になりました。たくさんの先生方にアドバイスをいただいたおかげで具体的なカリキュラムを決めていくことができたんです。ですから、東北電子のカリキュラムというよりは、みんなで考えて出したことがベースになっています。また、当時はテキスト探しにも苦労していたんですが、協会のほうからCGの初版のテキストもみせていただき、内容が素晴らしかったので採用しました。いま見直してみても非常に完成度の高いテキストだと思いますよ」。

その後、CG-ARTSの一昨年のカリキュラム再編もあり、現在では2008年度からゲームクリエイター科、ゲームエンジニア科がCGエンジニア検定を、CGクリエイター科、CG映像制作科がCGクリエイター検定を目指したカリキュラムで授業を行なうことになっている。その他、IT分野の組み込みシステムエンジニア科が画像処理検定、デザイン分野のWebデザイン科、DTPデザイン科がWebデザイン検定やマルチメディア検定などを受験する予定だという。

「組み込みシステムエンジニア科というのは、マイコンチップやロボットなどを製作している学科なんですが、私が画像処理を教えています。画像処理を教えることで数学の理屈、考え方を教えています。画像処理を取り入れることでシステムをつくるときの発想が豊かになりますから、社会に出てからも役立つ教育になっていると思っています。」


基礎と実習を平行して着実に身に付ける教育

実際の授業は、座学と実習が連動して進められている。
「たとえば、CG映像制作の座学では、協会発行の書籍「入門CGデザイン」「ディジタル映像表現」を使って、実際に3DCGソフトフェアを開いてその機能と照らし合わせながら進めています。教科書での一般的な用語や原理と、ソフトウェアの機能を照らし合わせて学ぶことで、ソフトの理解も進みますし、実習にも集中できるようになります」と、理論と体験によって相乗効果が生まれるその教育方法を紹介してくれた。
また、このように両方を学習することで、おのずと考える力、応用力などが身につくようになる。
その他、座学では実習を意識してCG制作の流れを把握できるように、はじめに教科書を使って制作過程の順を追って、一通り教えているという。一方、実習の際にもこれは教科書で前に勉強したところだね、と声をかけ原理を思い出させるようにしている。

「我校はコンピュータ系学校ですので、基礎からしっかり学ぼうという学校としての方針を持っています。社会に出てから困らないように学生時代に将来の土台となる基礎を身に付け、考える力、自己解決能力を養うことが大切だと考えているからです。」


資格の取得を推進、目標を持つことの意義

東北電子専門学校では、どの学科においても資格の取得を目標としており、CG-ARTS協会の検定試験では、3級は80%、2級は50%というとても高い数値目標を学校として持っている。先生と生徒双方に目標を持って、それを実現していこうという発想だ。
「学ぶという経過の中で、資格の取得は当たり前だと思っています。目標を持ってステップアップしていくことは大切ですし、合格したということは、勉強した、努力したという証です。資格については、就職に有利か否かという質問をよく耳にしますが、基礎は重要ですし、努力して目標を達成できるという力の証ですから、有利なのは間違いありません」
と資格への学校の取り組みと合格することの意義を語ってくれた。

さらに今後の協会に対して、これまで以上に縁の下の力持ちとして、最新情報を含めた基礎教育の充実に努め、しっかりとしたものを作ってほしいと期待を語った。