編集長インタビュー

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編集委員長 奥富 正敏
このテキストの制作上のコンセプトは?

親しみやすくて、わかりやすくて、かつ大切なことはきちんと書いてあるというような本を目指しました。画像処理についてしっかり勉強したい人が、画像処理分野の全体像を把握しつつ、幅広い技術や応用範囲の中のどの項目・分野でも、一通りのきちんとした説明が得られる、というように。また、なるべく多くの方に利用していただけるようにという視点で、わかりやすさを追求して細かいところまで配慮した編集をしています。テキストを見ていただくとすぐにわかるのですが、そういった工夫の結果が、全編カラーページ、豊富な図版や傍注スペースの効果的な利用といったところに現れています。


このテキストの内容上の特長はどんなところですか?

まず大切なことはもらさず掲載されていること。説明のための図版がたいへん多いこと。図版は、実際の処理結果をなるべく掲載して、結果を見ただけで直観的にわかるような工夫をしています。また傍注を十分に活用して、相互に応用されている各種の技法や理論を、できるだけ結び付けて理解できるようにした、ということです。さらにセルフコンテインドといいますか、一通りの知識を得るために参考文献なしにこの本だけで理解できるという編集を目指しています。


特に力を入れた部分、苦心した部分などは?

難しい内容をきちんと説明しつつ、かつわかりやすく書くというのは、相当工夫をしないとできないことで、そのための図をつくるのも非常に気を遣うことです。処理の効果がわかりやすい結果イメージというのはそう簡単に得られないですし、そもそも結果の図版を作るためには処理プログラムが必要ですから、一つの解説をするためにもプログラムを書き、いろいろな画像処理を施して、ようやくわかりやすいイメージをつくり出すということが必要になることがあります。そういった工夫を重ねた図版がふんだんに載っているところもポイントだといえます。


17章と言うのは、多い構成ですね。

これは分野的な特長があると思います。画像処理というのは非常に応用分野が多くて、それぞれ独立して技術が発展してきています。それらを網羅しようとしているので、章構成は多く見えるかもしれませんが、以前のテキストの中項目(章分けの次の階層の項目)にあたるものです。またこの本は、初めて学ぶ人がいきなりはじめから全部読んでいくテキストではなくて、選んで勉強、あるいは教えていただくといいと思います。目的に沿って勉強したい人は、一番関連のあるところを勉強して、そこからポインタをたどって別なところを必要に応じて勉強していただければいいですね。


企業のエンジニアの方も多く執筆されていますが、どんな効果がありますか?

画像処理というのは実際には、いろいろなところで応用されて世の中の役に立っています。やはり大学の先生だけだと、いきおい理論的なことに偏りがちなことも起こります。そういうところはむしろそれを実際に活用している企業の方に、現場の声としてまとめていただいた方がいいと思います。その意味で、特に画像処理の応用の章は各応用分野で、実際に携わっている方に執筆していただいています。


実務に携わっている人にとって、このテキストはどう使えるものなのでしょう?

画像処理の技術というのは関連する分野がとても幅広いので、自分の用いている技術以外に、利用できそうな技術はどんなものがあるかということを、この本をインデックス的に利用しながら知っていただき、必要に応じて、もっと狭い範囲を深く書いてあるような専門書や論文などを、この本からたどっていただくと良いのではないかと思っています。