編集長インタビュー

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編集委員長 木村 卓氏
このテキストはどういう本ですか?

3次元CGを使ったディジタル映像制作のために、クリエイターの業務として必要な知識と技術を学ぶことを目的とした教科書です。また、CGクリエイター検定(CGクリエイター検定 ディジタル映像部門)の、主として2級を受験しようとする学習者のための教材でもあります。このテキストの学習を通して、自分自身の知識や技能の習得度を把握し、学習や進学・就職活動に活かしていただくことが、このテキストの目的です。


想定されている読者はどのような人達ですか?

ディジタル映像制作を専門に学ぶ学校や学科の2年次以上、個人の自学自習、あるいは企業やプロダクション等の新人教育の教材として使ってもらうことを想定しています。


このテキストの構成を簡単に教えてください。

実写による映像表現、3次元CGによる映像表現、関連知識の3領域で構成されています。
実写による映像表現は、写真撮影、動画撮影、映像編集からなります。ここでは、映像制作の基礎となる、伝えたい内容を観客に正しく伝えるための表現技術に焦点をあてて解説しています。映像による表現技術は映像メディアが出現して以来、実写映像の中で培われてきたものであるため、実写で学ぶのが効果的であると考えるからです。3次元CGによる映像表現は、モデリング、マテリアル、アニメーション、シーン構築からなります。ここでは、必要とする映像をつくり出すための3次元CGの制作技術について、制作の流れに沿って解説しています。関連知識は、プロダクションワーク、映像制作を支える技術、数理造形、知的財産権からなります。加えて、最新の第3版では、chapterごとに「オーバービュー」と「キーワード」を設けました。「オーバービュー」によって、chapterごとの概要や、テキスト全体のなかでの位置付けが一目でわかるようになっています。また「キーワード」では、chapterごとの学習すべき重要なポイントをまとめています。


このテキストの特徴はどういったことでしょう?

映像制作の基礎となる表現技術と、CGによる制作技術の両面を網羅している点で非常にユニークな本だと思います。技術的な内容を中心としつつ、制作の各段階において、どのように取り組むべきかという考え方についても解説しています。また、特定のアプリケーションに特化しないよう配慮しており、さまざまな制作環境下に共通する内容となっています。


このテキストの効果的な使い方を教えてください。

『ディジタル映像表現』は『入門CGデザイン』の上級テキストという位置付けです。CGデザインに関する基礎的な知識や技術について『入門CGデザイン』で学んだ後に、より高度な知識や技術について『ディジタル映像表現』で学ぶことで、効果的な学習ができる構成となっています。


このテキストの制作に込めた思いとは?

映像をつくることは、基本的に楽しいことなのです。そういう楽しさをより多くの人に味わっていただきたいと思います。ただ、3次元CGで映像をつくるために必要な知識や技術には、表現的側面と、制作的側面の2つがあり、考えなくてはいけないことが非常に多くなります。たとえば、コンテストの審査員をやっていると、単純な技術的ミスで賞を逃しているような惜しい作品をみうけます。そういうことがないように、表現技術と制作技術の両方を、ケアするように心掛けて制作したつもりです。


苦労した部分・気を遣った部分はどんなところですか?

項目のセレクトと、実習を想定したときにどのように連動させていくかという点での全体構成です。学校によってもっている機材や環境、教える先生の知識や経験には幅がありますので、そういう状況を考慮しつつ、テキストとして有効で、すぐに陳腐化しないような内容となるように配慮しました。その辺のバランスをとった結果がいまのテキスト構成です。


最後に、このテキストで学ぶ方へのメッセージを。

映像制作に絶対的な方法論があるわけではありませんが、従来の映像制作の積み重ねの中で育まれたルールや約束事は確かにあります。そのような先人の知恵を修得しつつ、自分ならではの表現に結び付け、人に感動を与える映像作品を制作して欲しいと思います。